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天文雑誌フォトコンテスト総括2015

天文ガイドも、星ナビも、天文雑誌は月刊誌。来月分からは、2016年になります。
2015年のフォトコン戦歴を振り返って総括したいと思います。
今年も、冷却CCDカメラの作品がメインですが、デジタルカメラ、IR改造デジタル一眼レフカメラ、CCDビデオカメラといろいろなカメラで撮影しました。

ビクセンカレンダー2015 10月採用作品 渦巻銀河NGC7331 オライオン30cm反射望遠鏡 パラコア2使用 SXVR-H694冷却CCDカメラ

まずは、初めて、ビクセンカレンダーに採用されました!!
応募したのは昨年2014年の夏になりますが、撮影したのは、さらにその1年前。
2013年に撮影したものです。撮影したのは天龍の森。条件は悪い中での撮影だったようですが、暗い夜空のおかげで良く写ってくれました。
天文雑誌では落選でしたが、見事にリベンジ!ちょっと嬉しいですね~。
2年以上も前の作品ですが、処理方法などは今と変わってない様で、ニュアンスというかテイストは変わってません。処理方法が安定してきた(最近、ちょっとクドさがありますが・・)とも言えますが、進歩がないともいう・・(^^ゞ

天文ガイド1月号採用作 特異銀河NGC474 

こちらもオライオン30cm反射望遠鏡と天竜の森での作品です。
湿度が高くて、ミラーが曇ってしまったか、実際に薄雲がでてきたのかはちょっと判断つきませんが、明るい星が滲んでしまいました。
それでも、特異銀河の複雑な形状を描きだせたのはやはり暗い空のおかげでしょう。
しかし、淡い部分を描出するのにかなり苦しい処理をしていることが、大きな画像で見られてしまうとバレバレですね (^^ゞ
撮影したのは、ちょうど御岳が噴火した2014年9/27の晩でした・・。

天文ガイド2月号採用作 ペルセウス座A

宇宙論好き、天体観測好きな方なら、赤方偏移、ドップラーシフトという言葉はよくご存知でしょう。                   
救急車のサイレンで、ドップラー効果を感じることはあっても、実際に光のドップラー効果を感じることはそうそう無い筈。
でも、こういう深宇宙をNarrowBandフィルターで撮影しようとすると、とたんにその壁に当たります。
ペルセウス座AはHα線単色で撮像すると、非常に面白い構造が見られるのですが、その距離は2億3000万光年の遥か彼方です。
遠方の銀河であるため、Hα線は、赤方偏移Z=0.017559 と(Z=λ/λ0-1)の式より、668.8nmにシフトしています。
通常のHαフィルタ656.28nmのフィルターでは、カバーできず(半値幅30nmモノは除く・・ですが、30nmだとコントラストが弱くなりすぎてダメかもしれませんね)
そこで、昔買った半値幅10nmのSⅡフィルターを持ちだしてきて撮影しました。
SⅡの中心波長は672nmですから、半値幅6nmのAstronomikのものではちょっと不安が残るんですよね・・
結果的には大成功で、見事に熊手の様に噴き出しているHα光を捉えることに成功しました。自分らしい作品での入選はやっぱり嬉しいですね。
その半面、写真としての完成度の低さは、課題です・・いつだったかのヘラクレス座銀河団もそうですが・・・
まぁ、安定した結果をオライオンに望んでも不幸なだけかもしれませんが・・・(;゚Д゚)

天文ガイド3月号 最優秀作品 超新星残骸M1

3月号では、最優秀に選ばれました!かに星雲、撮像自体は9月に行っていたこともあり(最終的には、Narrowを11月末撮影でしたが)、なんというか、出遅れたなぁ・・後手に回っている・・と思ったものです。それが、まさかの最優秀!びっくりしました(@_@;)
特徴としては、LRGB合成に加え、Hα、OⅢも加えた6色分解合成処理、というところです。多色分解合成処理は、古くはCANP2004あたりでも紹介はしましたが、当時はステライメージで頑張っていたこともあって、思う様な成果が出せず・・。
あれから10年経って、なんとか多色分解合成処理を完成できたかなぁ・・
具体的には、LRGB合成処理した画像とHα、OⅢ、Bで作画した画像をレイヤー上で上乗せしてブレンドしました。

天文ガイド4月号入選作 くまのあしあと銀河(NGC2537)

マイナーな天体でも面白い天体はいくつもあります。この作品は、過去に銀河巡りで撮影してみたIC天体のそばに偶然入ってきたNGC2537。これをオライオンでちゃんと狙ってみた、というところです。ご覧の通り、カブトガニの様な、BearPawGalaxyの愛称、くまのあしあとがしっくりくる天体ですね。
タイトルから、星ナビ向けな気もしましたが、、、マイナーな天体ということで、結局、天文ガイドに応募しました。

星ナビ落選作 ししのトリオ ε200アストログラフ+ST10XME冷却CCDカメラ
こちらが、結構、自信持っていたこともあるんですよね・・みごとにゲキチン。
自宅庭からにしては、冬場の透明度とST10XMEの高感度に助けられて、NGC3628の淡い部分も出すことができました。
改めてみると色調が単調かなぁ・・

ゲキチンといえば、ラブジョイ彗星。
確かに、ボクが得意とするのは、これよりも、もう少し暗い、肉眼彗星ギリギリレベルの天体(Ex ギャラッド彗星)なのですが・・

今年は見事に撃沈で参りました・・。やっぱ、自宅から彗星は無理があるかなぁ・・と再認識・・
地味にメゲました・・

星ナビ6月号入選作 M42中心部 ASI120MM CMOSビデオカメラにて

星ナビには、半年ぶり以上で、やっと入選させていただけました。
見事に季節外れですが(;゚Д゚) 採用していただけて良かったです。
この前のALICEの作品比べて、構造描写が優れているのも見比べると判ると思います。
やはり高精細画素は構造描写に大きな影響を与えるなぁ・・。
天文ガイド7月号入選作 おおぐま座の奇妙な銀河

本当はNGC2685単体で攻めたかったのですが・・プリントしてみても、あともう今一歩だった・・・。そこで、組み写真にしてみました。
テーマは、タイトルにあるように、おおぐま座の奇妙な銀河!過去に銀河巡りで撮影していた中から、比較的写しやすく、視直径も近い、NGC2976とNGC3077をチョイス!
特にNGC3077は、思った以上に面白い天体だと思いました。
マイナーな銀河でも、こうして採用していただいて嬉しい限りです。

天文ガイド8月号入選作 木星の衛星相互食
今年は、木星の衛星相互食もありました。貴重な天文現象のひとつですが、今回は、シーイングが悪い冬場だったこともあり、あまり撮影しませんでした。

ガニメデの前をカリストが通過していく相互食でしたが、思った以上にスリリングで面白かったです。次回の相互食は、また6年先になると思いますが、次は、できれば、衛星の影がガニメデに落ちるシーンなども撮りたいです!!
星ナビ8月号入選 金星 オライオン30cm反射望遠鏡 パワーメイト5倍 DMK21AF04 CCDビデオカメラ。

撮像時に、IR,G,UVで撮影したつもりが、データコピー時のエラーなのか?UVしかデータが残ってませんでした・・。移動で、USBメモリに転送する場合、こういう危険性があることをすっかり失念していました・・。昔にも、せっかく撮影した系外銀河のデータが全て壊れていたことがあったんですよね・・。成長してないなぁ・・
幸い、DFKカメラで撮像した画像は生きていましたので、RGB分解して、B画像のみ、UV画像と入れ替えたものです。UVフィルターで撮る金星は美しいですね!!
天文ガイド9月号入選作 DEEPSKY NGC5544,5545,5529

左上のNGC5544,5545がまさに銀河同士が衝突している真っ最中なのでしょう!
最初はNGC5529を撮り直すつもりだったのですが、画角内に収められることに気が付き、ちょっと構図としてはあまりよろしくありませんが、対角に置いて撮影しました。
周囲にある小さな銀河も、どれも個性的で、面白い領域で、まさにDeepSky!
超ドマイナーな銀河でしたが、採用していただけて良かったです。

天文ガイド10月号入選作 宇宙の花火、キャッツアイ星雲

こちらも、M1と同様に、NarrowBandフィルター+ブロードバンドフィルターで撮影しています。この淡いハロ部分を含めて撮りたかったのですが、やっと、実現しました。
星ナビ入選作 亜鈴状星雲M27  MT160反射望遠鏡 MPCC、UHC-Eフィルタ使用
フジ X-E1 デジタルカメラにて

自宅庭から、富士フィルムのデジタルカメラ、X-E1で撮影した亜鈴状星雲です。
X-E1で採用されているX-Trance CMOSセンサは、感度が高く・・・というと若干語弊があるのかな?C社やN社などのデジタル一眼レフカメラに比べると、ISO200設定でも、ISO100相当なんて話もありますね。
ここで言う、つまり、天体写真での感度とは、
S/Nが高い=実効感度が高い=画像処理耐性が強い!≒光害に強い!
ということです。ISO感度を指しているわけではありません。
モノクロ冷却CCDカメラも、ISO準拠で感度で測ると、多分、相当低いんじゃないですかねー・・
でも、画像の質は遥かに上です。ゲインが低く抑えられていて、S/Nが高いからです。
それはさておき、光害がある自宅からのデジタルカメラでの撮影での入選で嬉しい限りです。

先月号でまさかM27が採用されるとは思ってませんでしたので、落選かなぁ・・と思っていましたが、無事、採用していただけました。
やはり、多色分解合成したM27です。Hα、OⅢ、HeⅡをベースに、さらにRGB合成した結果も上乗せしてあります。
中心部分は、ほぼ、Hα単色のみになっているので、もう少しOⅢ成分も入れたい気もしましたが、構造のディテールが、圧倒的にHαなので、OⅢはマスクしちゃいました (;゚Д゚)
でも、ほぼイメージ通りに仕上がって、個人的には大満足です。
12月号は両誌とも落選・・。まぁ、また頑張ります。

今年は、流石に昨年に比べると入選数が激減しましたが、それでも、ビクセンカレンダーを含めて13点と二桁勝利でした (^O^)


これまでの入選した作品をジャンル別に見ると、やはり系外銀河が多いです。
彗星にも力は入れてはいますが、散光星雲の方が、まだまだ上ですね。
惑星状星雲は、今年は多く入選させてもらい、惑星を上回りました。

望遠鏡別で見ると、オライオン30cmが圧倒的ですね (^^ゞ
これは、星雲・星団だけではなく、小さな彗星や惑星などにも対応できる万能性が高いからだと思います。
次点はアストログラフのε200ですが、MT160が追いついてきました。
クレセント星雲 ε200アストログラフ+ST10XME冷却CCDカメラ

今年はイプシロンでも、いろいろと頑張ってたんですけどね、、、上のししのトリオといい、入選には結びつかず残念でした。
やっぱりST10XMEではなく、ST8300Mをちゃんと調整して使いこなさないとダメかなぁ・・
ASC-11も、もっと使いこなせるように頑張らなくては・・。


今年、一番残念だったのが、このM51でした。自分としては自信があった作品でしたが・・
一縷の望みをかけて、ビクセンカレンダーにも出してみたのですが、ゲキチン・・。
うーん、ちょっと色が派手すぎたかなぁ・・


こちらはカメラ別です。
SXVR-H694が一番多いですが、次点は、惑星撮影用のDMK/DFKカメラです。その後は、過去にこれまでメインカメラとして使っていたカメラが続いています。
面白いことに、使っていた時代別って感じになってます。ST8XMEは、2010年頃から、SXV-H9は2007年頃から。ST7Customは2004年頃に使っていたメインカメラです。
それ以前の2001年頃から使っていたST7EはCCDを自己換装したST7MEと合わせると、6%となり、メインカメラ列に並びます。
サブカメラとしては、X-E1が存在感を高めてきています。対彗星撮影用機材としてだけではなく、月食撮影などの天文現象や、今年はニワトリでの星雲撮影でも入選と活躍してくれています。待望の高感度カラーカメラですから、今後も活躍を期待しています。

ネタも尽きてきてますし、星ナビ誌には得意の銀河は採用して貰えないし(´;ω;`)、来年はさらにキビシイことになりそうですが、まぁ、また頑張ろうと思います。

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コメント

No title

utoさん、こんばんは
流石ですね!グラフで分析したりして。
敬服仕ります。

私もデジカメ画像を応募して撃沈しようかしら・・・笑

No title

こんばんは。
どれも素晴らしい作品です。
子持ちも、しし座トリオも素晴らしい。
でも、M1は圧倒的な存在感ですね。ほれぼれです。
こんな写真を撮ってみたい・・・。

No title

今年はお互い最優秀賞も頂いた良い年でしたね。
それにしてもバリエーションが豊富ですね。

子持ちの落選には本当にビックリしました。
来年は、もう少し晴れて欲しいです。

No title

> メーテルさん、こんばんわ。
いえいえ、メーテルさんの写真、すごく綺麗だと思うので、ぜひ応募してみてください!

グラフは、会社でEXCELを使わざるを得なかったので、ちょっと独学で勉強したら、結構簡単に管理できるのが判りまして・・。
グラフは関数使って作ってあるので、データだけ入力すれば、あとは自動的に反映されていきます。

No title

> ゴットハンドさん、こんばんわ。
どうもありがとうございます~
M1は明るい天体ということもあって、ぜひ、C-8Nで狙ってみてください!SC64を使って、Rchのみ入れ替えとかやっても、案外写ってくると思いますよー。
フィルターワークの重要性を感じさせてくれる天体です。

No title

> GENTAヽ(^o^)丿さん、こんばんわ。
ほんとそうですね!また来年もお互い頑張りましょう!!

彗星が今年は入選が一切なかったのが残念でした。
あれも撮りたい、これも撮りたいというのもあって、あれこれやってます (^^ゞ

子持ちは本当にガックリきました・・
来年、もう一度、追加撮影してリベンジしようと目論んでいます・・。

お天気と、あと、個人的にはぼうらやへの道が早く回復して欲しいです・・・。

No title

作品を一挙に掲載すると、見事ですね。
これからも、沢山の作品を楽しみにしています。

No title

モチベーション維持していて素晴らしいですね。そろそろ私もフォトコン復帰しましょうかね。最近はレベルが高いので奇襲攻撃を考えないといけませんが・・・

No title

> りぼんずさん、こんにちは~
どうもありがとうございます。
撮るだけなら、たくさんとっているので、またいろいろとお見せしていきますね!

No title

> s43**001さん、こんにちは~
いやー、それが最近、画像処理が面倒で、コンテストの応募締め切りでもないと、なかなか・・(^^ゞ

おぉ、ぜひぜひ、応募してください!
口径50cmの大天文台画像のテイスト、オーバーフルサイズの精細感など、楽しみにしています。

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プロフィール

UTO

Author:UTO
子供の頃、図鑑で見たパロマー天文台の天体写真に憧れて、天体写真を初めて幾星霜・・
デジタルカメラの進歩によって、当時のパロマ天文台の写真を超える天体写真がアマチュアでも撮れる時代になりました。

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