FC2ブログ

記事一覧

CMOSカメラによる天体写真について

そろそろ梅雨本番かな、雨が降ったりやんだり・・。
新月シーズン(でしたよね・・ ^^;)ですが、目覚まし時計の出番もなかなかありません(普段は、かけても、目覚まし時計が鳴る前に起きるのデス・・ ^^)v
さて。そんなお天気なので、相変わらずの機材ネタです。

Central DSの天文用モノクロデジタル一眼レフカメラは残念でしたが・・・
先に書いた様に、これまでは、天体観測用としては、惑星や月面用として、ビデオカメラの延長だったCMOSカメラですが、最近になって、星雲・星団の撮影にも十分、実用になってきつつあります。

露出1/2秒によるM13  ASI120MM 1枚画像

露出わずか1/2秒で天体写真が撮れるとは・・。フィルム時代では、イメージインテンシファイアでも使わない限り不可能でした。
これは、CMOSイメージセンサが持つ、低読み出しノイズ、高QEがなせる技です。
逆に、CMOSは、読み出し時のスイッチングに起因する固定パターンノイズがあります。

固定パターンノイズを天体写真で、除去したい場合、実はそう難しいことではなく、被写体を、移動させて撮って、コンポジット合成を行えば、緩和していくことが可能です。
完成したM66 (これ、公開してなかった・・みたい・・?)

1枚あたり、5秒ないし6秒を1000枚以上コンポジットしたものだったと思います(データ記録し忘れた・・・ (;゚Д゚) )
さすがに、ASI120MMだと、M66の外側の淡い部分までは厳しいかもしれませんが、画像処理のおかげもあって、1枚あたり、5秒程度の露出でも、固定パターンノイズを緩和するように撮影して、積算してあげれば、十分、実用化できます。(なお、Drizzleで画像を拡大している為、実際には、トリミングしています。)

この様に、CMOSイメージセンサでDeepSkyObjectを狙っていくには、個人的には、まず枚数ありき、だと思っています。
何枚必要か?と言われると、今のところ、自分が使っている範囲では、100枚では足りず、256枚くらいは欲しいかな、と感じています(これは1~10秒程度なら、露出時間に依らず、です。読み出しの回数=撮影枚数)。
ただ、Aptina製のASI120MMは固定パターンノイズがちょっと大きいですから、少ないセンサなら、当然枚数はこれよりも少なくても良いことになります。Sony製CMOSとか・・・

ところが、なまなまさんのminiCAM5S(QHYの冷却CMOSカメラ)による作品を見ていると、そうでもないのかなぁー・・と思ったり、ちょっと悩ましいところ (^^ゞ
と、いうのも、CMOSで厄介なのは、読み出しノイズの固定パターンノイズ(FPN)です。
ところが、読み出しノイズは、一定レベルのノイズですから、たっぷりと露光して、バックグラウンドレベルが上がってくれば、気にする必要がなくなってきます・・・・
うーん、そうすると、冷却CCD同様に、冷却CMOSカメラでも、たっぷりと露光時間さえ与えれば(実際、デジタルカメラではそうやってるワケですしね・・)、固定パターンノイズは気にしなくても良いのかも・・・?
Sony製IMX174などは、縦縞は無く(変わりに薄いヨコシマはある様ですが)、Aptinaセンサよりも、優秀ですが・・・・
ただ、海外のWebサイトを見ても、IXC285AL(Sony製のExViewHAD CCD)のような画像は期待してはいけないというような意見があり・・・うーん、どうなんでしょうねぇ・・・

この辺りは、ZWO社やQHY社の冷却CMOSカメラが出回ってくれば、はっきりとしてきそうですね。今のところ、海外でも、短時間露光、超多数枚による作例が多い様に思います。
CMOSイメージセンサの特徴というか、美味しいところを使う、という点では正解かなァ・・という気もします。
冷却版なら、ある程度の露光時間(2~3分程度か?)で多数枚路線あたりが美味しいところじゃないかなー・・・・という気がします。

気になるCMOSカメラとイメージセンサ
・ASI1600MM-Cool
KAF8300E系を駆逐する可能性が高いです。ST8300Mを買ってから、もう6年程経っているので、陳腐化は否めませんね・・(それまでに使いこなせなかった自分が悪い・・(;´д`))
デジタルカメラ用のパナソニックセンサを使っていていることから、やはり冷却版で、ある程度の露光時間をかけて、バックグラウンドレベルを上げて撮るのが正解じゃないかなー・・

1.1型、3.45μ□。約14mm×10mm、12MPixel、グローバルシャッタ搭載のPregiusセンサーです。
このファミリーのセンサ、IMX250(2/3型5MPixel)のカメラベンダーの説明文からすると、IMX174に較べて、読み出しノイズが、5e-程度から、2e-程度と低下している為、画素数が大幅に増えているものの、感度面では損なわれていない様です。
1型895万画素の弟分のIMX255や、2/3型のIMX250よりも、やっぱり面積が大きめのIMX253は魅力的に写りますネ。
ZWOやQHYで製品化を期待したいところです。まぁ、そう遠からず出てくることでしょう!
期待しています!!

IMX249/IMX174
これは前の記事にも書きましたが、人気の?IMX174の低速版です。惑星や月にはフレームレートが稼ぎにくいので、製品化は期待できないか・・・・
ただQEピークが、82%と、IMX174よりも高くなっており、5.6μ□の大きめな画素ピッチと相まって、DeepSky向き。

IMX174は、ST2000XMあたりを置き換えるだけの性能を秘めていると思います。これも冷却版が欲しくなるところですが、以前、使われている方のブログで質問したところ、AMPノイズは冷却しても消えないそうで・・・・。
このセンサ採用機は、ALICE-Ⅱを持って無ければ、確実に冷却版を買うんですけど・・・
ALICE-ⅡによるM51 オライオン30cmF4反射望遠鏡 パラコアⅡ使用 10秒×655コマ

ウチのALICEたん、読み出しノイズが少ない(固定パターンはありますが)のもあって、1枚あたり10秒でも、系外銀河の淡い部分まで見事に描出してくれました。
IMX174系は、読み出しノイズが、5e-程度と大きめなので、ALICE-Ⅱの方がひょっとしたら、優秀かもしれません。ALICE-Ⅱがあれば買う必要がないかなー・・と思っているところです。

ちなみに、だいたいの冷却CCDカメラでは、読み出しノイズは軽く10e-を越えます。IMX174が5e-なら、QEが同じなら、これは、2倍感度が高いことを意味しています。
が、総露出時間が半分で、同じ美しい天体写真が得られるのか、というと、そうとも言い切れません。微弱光では被写体からの光子数も大事になってきて、そして、これはQEが高いカメラを使うか、総露出時間を伸ばして稼ぐしかないからです。(もちろん、その他、種々の要因も御座いますが・・)
しかし、1枚あたりの露出時間は半分で良いことは意味しています。
それ故、低読み出しノイズのCMOSカメラでは、上のALICE-Ⅱの様に1枚あたりは、露出時間が短くとも、総露出時間を伸ばして、Photon数さえ稼げれば、1枚あたり5分ないし10分露光した冷却CCDカメラ(←最近のCMOSカメラに比べれば、下手したら10倍以上ノイズが多い)に匹敵する映像を得ることができるのです。

IMX290
裏面照射型の第二世代でしょうか。個人的には凄く興味があります。画素ピッチが2.9μ□とやや小さいのですが、その分、解像力は高くなるでしょう。
感度も期待したいのですが、今のところ、QEグラフ等は見つかってないです・・


右は、ASI120MM 3.75μ□、左は、ALICE-Ⅱ 6μ□?によるもの。
ALICE-2は、パラコアⅡを使用していて、ASI120MMは直焦点。条件が違いすぎますが・・
3.75μのASI120MMの方が微細構造は良く出ていると思います。
回折限界(エアリーディスク)等もありますから、2.9μ□だとちょっと細か過ぎるかもしれませんが・・・。BackIlluminationということで、個人的にはかなり欲しい (^^ゞ

IMX178
こちらも、BSI型。今年4月に買うつもりでいたんですけどねぇ・・・。望遠レンズで資金がなくなり見送りました(爆)
センササイズが、1/1.8型と少し大きめ(7mm×5mmくらい)なのと、6MPixelの画素数であることから、DeepSkyにも使えるのではないかと。
ADCが、14bitですが、その他のIMXファミリーが12bitであることを考えると、BSIでノイズが大きいので、その補間処理の精度を上げる為に、14bitにしているのかな、、という気もします。あまり、ここの14bitに期待しちゃダメかな、という気がします。
bit数よりも、読み出しノイズの低さの方が、大事な性能です。今なら、IMX290の方が・・と、思いますが、チップ面積と画素数はこちらが上ですので、DeepSky狙いなら、こちらの選択肢もアリと思います。
個人的には、モノクロはIMX290をチョイスしますが、カラーカメラは、IMX178を選ぼうかな・・と思ってます(前にも書いたかも・・)

僕が今のところ感じているCMOSカメラによる星雲/星団撮影の天体写真総論でした。

関連記事
スポンサーサイト



コメント

No title

IX120とIX224を比較してみたら,バックグラウンドのノイズも減っていてびっくりでした。どこまで,性能が上がってしまうんでしょうね。

No title

> OLG100さん、こんばんわ。
Sony製CMOSは固定パターンがまず見えないですし、素晴らしい性能ですよね!
Mik先生のRESに書いた様にQEは95%なんてバケモノがとうとう出てきましたし、低ノイズ化の方も、研究レベルでは、0.5e-なんてものも出てきています。それも、静岡大学も絡んでいたりして(浜ホトは絡んでませんが)、もう1段、進化してきそうです。
ZWOやQHYの言うゲインを上げて1e-以下・・はちょっと眉唾なんですが・・(CMOSはデジタル出力なので????)
もっとも、最新CMOSについて勉強不足なだけで方策はあるのかもしれませんが・・・
いずれにしても、まだまだ過渡期なのだろうとは思ってますが、これだけの性能があれば、天体写真の考え方を根底から覆すことになりそうです。

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

UTO

Author:UTO
子供の頃、図鑑で見たパロマー天文台の天体写真に憧れて、天体写真を初めて幾星霜・・
デジタルカメラの進歩によって、当時のパロマ天文台の写真を超える天体写真がアマチュアでも撮れる時代になりました。

月別アーカイブ