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続CMOSカメラ考察とダーク減算について

今日は、晴れてくる予報です。GENTAさんやハルカイさん達は、遠征で、テスト撮影のご様子。
ボクも一瞬、出かけようかなぁーと思ったのですが、思ったより雲が多いのと、明日、少し用事があるのもあって、諦めました。
ニワトリくらいは・・と思わないではないですが・・・シーイングは悪そうなんですよね・・。
あと、雨上がりですから、あんまり気乗りはしないんですよね・・・。もーちょい早く晴れてきてくれれば良かったのですが。
でも、休日前だしなぁ・・・。まぁ、星像チェックくらいはやりたいような、用事があるので、目覚まし時計活用での撮影になるので、テスト撮影だと、ちょっとキッツイ様な・・。
も、ちょっと様子を見て、場合によっては、今日、光軸を取りなおしたオライオンのテストくらいはやるかもしれません。

さて、先週、ロンキーさんのお宅におじゃました時に、ZWO社のCMOSカメラを見せてもらいました。

ZWO社のCMOSカメラ  フジ X-A1 デジタルカメラにてパチリ!

ロンキーさんがお持ちなのは、ASI224MCと、ASI178MM-Cool。別途ASI174もお持ちだったので、後から、しまった、こちらのカメラも見せて貰えば良かった・・・と、ちと後悔。
さて、FireCaptuerをロンキーさんのノートPCにインストールして、無事、制御できることを確認しました。
また、MaxImDLとASCOMで、動作することも確認。ちゃんと16bitで保存できるようです。
ASI120MMは、8bitになってしまいましたので・・・最新ドライバ入れれば16bitで撮れるかなぁ・・?

さて、自分も、今後、欲しいと思っているカメラなので、簡単ですが、ちょっとしたデータを取得させて頂きました。

ASI178MM-Coolの1分ダークです。
冷却On(-8.8℃)左上 1分ダーク std 20.0
冷却OFF(35℃程度)右上 1分ダーク std 826(◎-◎;)!!
左下 冷却CCDカメラSXVR-H694(-10℃)12分ダーク std 148

客観的なデータを評価する為、標準偏差Std値で比較してみると、冷却の高価の高さは一目瞭然でした。
ただ、12分露光した冷却CCDカメラ画像に対し、非冷却ASI178MMでは、1分露光でもかなりダークノイズが非常に大きくなり(結果、標準偏差の値が高くなっている)、CMOSカメラが長秒露光がニガテなことを顕しています。
冷却版では、暗電流ノイズが非常に抑えられており、なるほど、これなら、長秒露光しても実用になりそうです。ただ、冷却CCDと同様に、5分程度まで伸ばした時にどこまでノイズが増えるのかが、若干心配です。
急激にノイズレベルが高くなっていくのは非冷却時のデータから推測できますから。

なお、最初起動後、暫く非冷却で使っていたので、センサ温度は35℃(外気温は31℃くらいだったかと)まで上昇していましたが、冷却すると、-10℃まで冷やせました。
目視確認したところ、心配していた結露も無し・・・。
ヤバいッスね。個人的には、冷却機能までは不要と考えていましたが、、、
-10℃まで冷やすと1分露光時のStd値も、20.0と極めて低くなっています。
これだけの差があると、やっぱり冷えた方が・・・なんて日和りたくなってきます (;゚Д゚)
ロンキーさんにも言ったのですが、こりゃー・・見ちゃいけないものを見てしまいました。

ちなみに、AMPノイズは、冷やしても冷やさなくても変わらない様です。冷却した方が目立つ様に思いますが、実際には暗電流が小さくなっている為、LUT(ルックアップテーブル・・・つまり、自動レベル調整といえば解りやすいかしら・・)上、つまり、見た目では相対的に目立つだけです。

SXVR-H694では、短時間露光では問題ないのですが、長秒露光すると、薄いAMPノイズが出てくるみたい・・困ったことに・・・。通常のLRGB撮像では問題ないのですが・・・
これ、NarrowBandとか背景レベルが上がらないと、実は大きな問題になります・・・
いろいろと考えなおさないといけないことも判りました・・orz
今まで、妙だな~とは思ってはいたのですが・・・(;´д`)トホホ…
こりゃ、ダークフレームライブラリを作らないと駄目なカメラでした、、、




いろいろなカメラのBIASノイズです。
これの標準偏差を見ることで、ある程度カメラのノイズの傾向を見ることが出来ます。
SXVR-H694(ICX694ALG) 17.8
ASI178MM-Cool(非冷却) 9.5
ASI178MM-Cool(-10℃) 9.0
ASI224M 10.6

冷却CCDカメラに較べて、冷却CMOSカメラは読み出しノイズのバラつきが約半分と小さいことが判ります。
A/Dコンバータが1電子あたり何カウントに変換しているのか(ADU)が判らない為、
異なるセンサでは、これだけでは性能を論じることは出来ませんが、一つの目安として考えることは出来ます。

バイアスは、そのカメラが持つ最短露光時間(CCDなら電子シャッターが働かない露光時間)のダーク画像になりますから、冷却か非冷却では、ほとんど変わりません(が、確実に差はある・・・)

こうして見ると、ASI178MMが思ったよりも、ばらつきが小さく、ローノイズで評判のASI224MCよりも、ばらつきが小さいのが判ります。
但し、ASI224MCは、Bayer配列のままですので、ベイヤーのマス目の分、ノイズ評価では不利な面はあるかもしれませんが・・・飽和電荷容量と14Bitであることまで考慮すると、ASI178MMの方が、ずっとローノイズではないかと考えます(・・・ボクの勘違いが無ければ)
ASI178MMは、もっと、評判になっても良い気がします。
正直に言えば、ZWO社が出しているゲインを上げて1e-というのは個人的には非常に懐疑的で、CMOSだと、出力はデジタル出力なので、ゲインを上げて、読み出しノイズが下がる・・・というのは非常に疑問。
実際、これだけStd値もばらついているので、とても、そこまで低ノイズになるとは思えないんですけどね・・・。
最近、あんまり勉強していないので、勉強不足なだけかもしれませんが。

ダーク減算について。

バイアスを使って、一つ、面白い実験をしました。
ダーク減算の弊害について、です。
ASI178MM-CoolのBIAS画像(オリジナル)と、BIAS同士を減算させた時の標準偏差

コンポジットをすると、S/Nが√2倍、改善することは、天体画像を扱っている人は良くご存知の事だと思います。
が、しかし、なぜか、逆コンポジット・・・つまりダーク減算を行うと、S/Nが√2倍悪化することはなぜか、あまり知られてません????

簡単な検証方法がありますので、ご紹介しておきます。
バイアス画像を2枚用意します。
これをそのままダーク減算すると、0以下になった値が0に置き換えられてしまうので、ばらつきが正常に出ません(ステライメージやMaxImDLでやっても・・Std値がほとんど変わらないのですが、Min値が0となり、置き換えられています)
そこで、1枚目のダーク画像に、100程度の値を足して(演算-加算で実施)から、ダーク減算することで、ばらつきを正常に捉えることが出来ます(0以下の値を0に置き換えなければそういうことをやる必要はないのですが)

その結果として、ASI178MM-Coolのオリジナルのバイアス1枚画像では、Std値が9.0であったのですが、これを減算すると、Std値が12.7と悪化しました。
ところで、√2=1.41421356(ひとよ、ひとよにひとみごろ)ですよね?(うろ覚えなので、間違ってたら、ゴメン!)、
オリジナル画像のStd値、9に、1.414・・・を掛けてみると・・
12.72792204
あ~ら、不思議?バイアス同士を減算(つまり、仮想ダーク減算です)したのとほとんど同じ値になりましたね!
でも、これって不思議でもなんでもないんです。だって、画像処理って数学ですからね。
当たり前の話なのです(若干、ズレがあるのは、電子回路や測定範囲等の誤差としてどうしても出ちゃいますけどね)

ダーク減算するとS/Nが悪化してしまうから、ダーク画像もみなさん、一生懸命コンポジットして、高精度化したものを使っているわけです。
でも、ダークフレームを高精度化して、減算・・・という作業は、王道となっていますが、しかし、これは当初の冷却CCDカメラのダークノイズが大きかった為、どうしてもそうせざるを得なかった、という面もあります。
しかし、どんなに高精度化しても、減算すると、とたんに大きく、画質を損ねてしまう事は、バイアス画像で試してみれば、良く判ります。
まぁ・・それが実際の画像に大きな差となって出るか、は、ビミョーなところですが・・・。
確実に損はしてるんですよね・・。
昨今のデジタル一眼レフカメラはかなり優秀になっていますので、ダーク減算無しで済ませられるケースが多いのではないかと思います(実際、自分は、X-E1ではダークを引いていません)。

引かないで済ませられれば、絶対に、ダーク減算はしない方が良いのです。
ただ、長秒露光によって発生する輝点、ダークノイズについては、上手く除去しないといけませんから、その辺りは、検討しなくてはいけませんが。
その辺りは、また機会があれば、紹介したいと思います。
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コメント

No title

ハルカイさんと港に来ています。23時頃から晴れて来ました。まあまあの透明度で天の川も見えています。
しかし、断線箇所を修理したのに冷却すると結露します。結露は表面のようです。エアーを吹き付けると消えます。チャンバーから吹き付ける部分がサイドに4箇所あるのですが、そこが詰まったか、密閉が緩んでエアーの量が減ったからかもしれません。
スケアリングもEOSマウントを替えてみましたが改善せずガッカリです。
1DXで網を撮らせていますが、こちらも周辺部の星が外に向かって延びています。これから1DX2に替えて撮影してみます。
狙っていたQHY16200Aもダメ子ちゃんみたいなので、大きなサイズの冷却CMOSカメラが待ち遠しいです。

No title

> GENTAヽ(^o^)丿さん,こんにちは。
朝の用事も思ったよりも早く終わり、家でのんびり・・
昨晩は、自宅庭から天の川が見えてたまげました。最高の透明度でしたが、そちらはそうでもなかった?
南に、雲が見えていたので、もしかしたら、薄雲が流れていたのかも?
結露は、マウント部でしたかー。ありがちな問題ですが、その対策がなされていたカメラだっただけに残念ですね・・。
1DXは、ローパスレス改造されていると思うので、フランジバックが微妙に伸びているのではないかと思います。
QHYもあの星像が許せるなら、選択肢にあがりますが、反射系ならまだしも屈折で使うと、許せないかもしれませんね。naokiさんやKY博士あたりだと、やはり却下すると思います・・・。
FFT型センサの構造上、仕方がないのかもしれません。

そうなってくると魅力的なカメラの登場が待ち遠しいところですね。さしあたっては、ASI1600-Coolあたりも面白いとは思いますが、さすがにフルサイズセンサの1/4の面積はツマラナイですよね。

No title

あ、こちらも、良いと思った、オライオンの光軸・・というかスケアリングかなぁ・・。温度変化でピントがずれてきたら、やっぱり片側が盛大にぼけていて、参りました・・・。
光軸は絶対いいので、あとはカメラの取り付け方かなぁ・・。うーん、参りました。

No title

あらら、片ボケ発生ですか。
どこが原因か見極めるのが難しいですね。私も昨夜はEOSマウントを替えてやってみてBAADERだと酷いというのがわかりました。

今日は記事をゆっくり読ませていただきました。
私もダーク省略化派です。RAP2にはバイアス処理機能があるそうです。また、輝点、黒点除去も専用に出来るので助かっています。

No title

> GENTAヽ(^o^)丿さん、こんばんわ。
実は、ミラーを換装する少し前くらいから片ボケに悩まされていたりします。光軸調整は変えてないのですが・・
2インチスリーブ差し込みなので、どうしても片ボケするのは仕方ないのかもしれません・・。

ダークは淡モノだと絶対引かない方が良さそうです。
バイアス除去も、数値によるカウント減算ならOkですが、画像間演算で減算してしまうとやはりS/Nが悪化するので、気をつけてください。
仰る通り、ダークレスにした場合、輝点除去が一つの課題になりますが、最近の低ノイズセンサーなら、やり方はどうとでもなりますから、ダークは引かない、というスタンスで全然問題なくいけると思います。

No title

すぐ近くにいるのに、ご無沙汰してます。
ASI174COOLとASI1600COOLに触手が動いています。銀河、惑星なら174、星雲用で1600、何て考えてますが、なにせデジカメしか使ったことがないので良く解りません。実際にASIのパフォーマンスってどうなんでしょうかねぇ?
情報があったら教えてください。

No title

> yam*to*o011*さん、こんばんわ。

CDS-600をお持ちですが、ASI1600MM-Coolなら、Hαを始めとするナローバンド撮像や、遠征地で、CDS-600とハイブリッドLRGB合成してみる等、いろいろと楽しめると思います。
また、モノクロカメラなら、比較的近場のぼうらやさんでも、十分、作品が出来ると思います。

対銀河用ですが、ASI174MM-Coolも素晴らしいのですが、きっと後日、IMX253を搭載した1.1型12MPのASI253が1年もすれば出てくると思うんですよ。画素ピッチは、3.75μと細かすぎる面はあるのですが、ノイズがIMX174よりぐっと減るので、ちょっと悩ましいところですね。

ASIのパフォーマンスですが、いろいろと調べてはいるのですが、今のところ海外サイトでもラッキーイメージングでの作品が多い様です。冷却タイプであっても、5分とか伸ばしているのはあまりみないような・・
冷却タイプはノイズが相当抑えられているのですが、ランダムノイズを考えると、枚数ありき・・で考えた方が良さそうに思います。

No title

梅雨が明ければ、きっとロンキーさんが実戦テストしてくれると思いますので、もう暫く様子見でもいいかな?と思います。
為替相場もひところに比べるとだいぶ落ちてきたので、少しは価格改定してくれると嬉しいんですけどね・・・。

No title

丁寧な説明ありがとうございます。
今買うならASI1600MMCOOLってとこですかね。174は253が出るのを待つかロンキーさんの試写の結果を見てからですか。
いずれも短時間露出で枚数を重ねる撮影スタイルになりそうですね。
撮影対象、何を抽出したいのかをシッカリ考えて決めないといけないですね。
まずは、梅雨明けのロンキーさんの成果を楽しみに待つことにします。
アドバイスありがとうございます。

No title

> yam*to*o011*さん、こんばんわ。
ASI1600MM-Coolはあの価格であの性能なら、買いで良いかと思います。IMX253はセンサが大きいので、少し価格は高めになるだろうと思いますが(それでも、ASI1600と同程度くらいじゃないかなー・・と)、せっかく買うなら性能が良い方がいいですものね。

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プロフィール

UTO

Author:UTO
子供の頃、図鑑で見たパロマー天文台の天体写真に憧れて、天体写真を初めて幾星霜・・
デジタルカメラの進歩によって、当時のパロマ天文台の写真を超える天体写真がアマチュアでも撮れる時代になりました。

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