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QHY5III-178C

いろいろと本業が立て込んでいるのもあって、すっかり、遅くなってしまいました(まぁ、帰ってきて、酒かっくらって、速攻で寝てしまっているからですが・・爆)
年明けにQHY5III-178Cのテスト撮影は行いましたので、その紹介と考察です。

馬頭星雲 GENESIS SDF 屈折望遠鏡(540mmF5.4) QHY5III-178C 15秒×366枚 SkyExplorer赤道儀にて、ノータッチガイド。ダーク・フラット無し。

いわゆる、玄さんがやられているTNK撮影です。
左下のAMPノイズを考えたら、ダークは引いた方が楽ちんでしたねー・・(まぁ、今回、実家にデータを持ち帰る際に、ダーク画像を持ち帰り忘れたので・・ ^^;)

左側のアルニタクからのゴーストは、カバー硝子でのゴーストと思われます。ちょっと残念。

センサーサイズが、1/1.8型(約7mm×5mm)と小さいので、フラットは場合によっては端折ることが可能です。
具体的には
1.センサにゴミが無いこと
2.バックグラウンドが暗いこと

1.については、QHY5IIIは、カバーガラスがセンサから離れた位置にあることもあり、購入時にゴミがなければ、問題なさそうです。
実は、薄明中に撮ったC/2016U1のデータを見ると、カバーガラスにはゴミが3つほど載っていましたが、この馬頭星雲からは、カバーガラスのゴミは判らないと思います。

2.については、暗い空で撮るか、町中でも露光時間を切り詰めることでフラットを端折ることが可能となります。

実際、これまで、自分が撮ってきたラッキーイメージング画像でも、フラットはほとんどのケースで端折っています。


撮像時の1枚画像(15秒 1枚)はこちら。ただし、フォト蔵の制限で、2k×2kにトリミングしてありますが・・・
撮影は、今回、CCDSoftを使って行いました。ASCOMプラグインをインストールしておけば、CCDSoftからの撮影も可能で、この場合、可逆圧縮形式のSBIG形式で保存できるのが強みです。HDDの容量を節約できます。

画像処理ですが、ボクの場合は、今回、MaxImDLで、ホットピクセル除去を一括で行って、一括保存。
その後、フリーソフトのDeepSkyStackerで、コンポジットしました。
ただ、一応、30枚を1セットとして、30枚づつ90%良像選別で行い、最後は、いつものCCDStackで全てコンポジットしました(ここで、カラー化もする様に設定しています)

お手軽処理で、やるなら、Fitsで保存して、DSS上で、ダークも差っ引いて、コンポジット、という流れにすると、かなり手軽になります。
ステライメージで行う場合は、自動コンポジットが時間がかかるからなぁ・・・
DSSの方が、計算コスト(かかる時間)が少ないと思います。
DeepSkyStackerで、15秒×27枚 コンポジット画像

この位の枚数だと、横縞が消えませんでした。やはりCMOSカメラだと枚数勝負が正解かなぁ・・・

ただ、冷却タイプなら、露光時間を伸ばして、バックグラウンドの輝度を確保できれば、読み出しノイズは相対的に見えなくなります(この場合、フラット補正は必須になりますが)
とはいえ、暗い空で撮影する場合には、なかなかバックグラウンドが上がらないことを考えると・・・
個人的には、やはり、枚数勝負に打って出るのが正解ではないかと考えています。

何枚必要か?と言われると、今のところ、まだはっきりと言えるだけのデータはありませんが、今回の例から考えると、100枚は欲しいですね(この馬頭星雲だと、27枚スタック後の3セット、81枚で概ね問題なさそうになりました)

一眼レフデジタルカメラとは違って、映像エンジンの影響を全く受けない(良くも悪くも・・ですが・・)上、CMOSの低ノイズ特性を活かす為にも、1枚あたりの露光時間を切り詰めつつ、多数枚コンポジットで撮るのが一番ではないかと考えています。
一眼レフデジカメの場合は、映像エンジンがありますから、あくまでも、適正露出することが必要になりますが、この種の本当のRAWを出すカメラの場合は、被写体がギリギリ写る最低限の露出で捉えれば問題ありません。

ところで、馬頭星雲とその上のNGC2023(だったかな?)反射星雲の写り具合を比べてみると、やはり赤感度よりも、青感度(もっと言えば緑色ですが)が高いようです。

子持ち星雲 M51 GENESIS SDF屈折望遠鏡 QHY5III-178C 15秒露光×420枚

こちらも、写って欲しい淡い部分まで、ちゃんと写っています。
フジのデジタルカメラ、X-E1を手に入れた時にも感じたことですが、待望の高感度カラーカメラです。
とはいえ、やはり、2.4μ□画素は、細かすぎて・・。裏面照射型とはいえ、感度は想定以上ではありませんでした。
実際、F5.4ではカラーカメラといえども、オーバーサンプリング気味。ピントが若干甘かった可能性も否定できませんが、性能を活かすには、明るい光学系と、マイクロフォーカサーが無いと厳しいと感じました。

デジタル一眼レフカメラと比べた場合のメリットとしては、
・センササイズが小さいので、フラット不要(ないし、フラット補正の精度が問われない)
・ゲインが低めに設定できるので、光害地では、有利
と、いったところでしょうか。
とはいえ、やはりセンササイズの小さい事による苦しさも感じます。


このカメラの、一番の特徴は、手軽で高画質。これに尽きると思います。
画像処理は枚数は多いですが、先に書いたようにDSSを上手に使えば、放っておけば良いので、楽しようと思えば、方法はあります。
露出は1回あたりを短時間で済ませれば、ノータッチガイド、フラット無しのTNK撮影で行けますので、本当に、手軽なカメラといえそうです。

では、どのような人に向いているでしょうか?
システムが十分に整ったベテランには、あまり必要性があるカメラではありませんが、惑星用カメラとして、またあるときはガイドカメラとして、時には、今回の様に、お手軽星雲撮影にも使ってみる・・など、多目的カメラとしては魅力があります。

でも、一番に使って欲しいのは、赤道儀は持っているが、ガイドがなかなか上手くいかない、デジタル一眼レフで撮っているが、フラットが難しくて苦労している・・・。でも入選したい!という野心を持っている方にはIMX178(できればモノクロ版)はベストなカメラになるかもしれません。
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コメント

No title

こんばんは ご無沙汰しております
420枚のスタックとは・・・ハードディスクがすぐにいっぱいになりそうです。
QHYからminicam6fなるものが出るようですね。(恐らく)冷却178Mに20ポジションのフィルターホイル!なんだか最近QHYvsZWOが熱いですね。ちょっと様子見です。

No title

> tez*024さん、こんばんわ。早速コメントありがとうございます。
とりあえず、この日、撮れたのは夜半過ぎからだったと思いますが、8GBほど撮像していました。非圧縮のFitsだったら、たぶん、15GBくらいでしょうか・・・
でも、最近はテラバイトのHDDも安価になりましたしね。

miniCAM6F、あれ良さそうですよね。フィルタフル装備で10万円前後だと、面白い事になりそうですが、さすがに、そこまで低価格にはならないかなー・・。

No title

こんばんは!
いままでずっと、そっと拝見させていただていたのですが初めてコメントさせて頂きます

今回IMX178より更にセンサーサイズの小さいIMX290でCMOSデビューをしたKENと申します
撮影枚数、最低でも100枚ぐらいは必要なんですねぇ
最初に撮ったM1は40枚ぐらいでもソコソコ写ったのですが、M51は惨敗で(泣)
でも「ノータッチガイド、フラット無しのTNK撮影」は、お手軽派を目指す自分としては凄く魅力的で、これからはUTOさんを参考にしながらTNK撮影(笑)にチャレンジしたいと思います!

No title

ガイドカメラとして178Mを購入しましたが、微少ピクセルによるズレ検出精度向上の恩恵は感じつつも、ASCOM ドライバの画像転送速度が低いことによる、ガイド制御の長周期化という問題も感じています。
Sharpcap で観るとそれなりにリアルタイムな画像を送れているのですが、ASCOM ドライバを介すると転送速度がかなり低下します。
PHD2 は現状 5III のネイティブドライバをサポートしていません。が、QHY ASCOM Capture/Guide ドライバはサポートしています。ASCOM ドライバを使ったとき、コマ露出とは別に、次コマ撮影まで4~5秒を要します。(ASCOMドライバの「輝度不変の箇所はデータを転送しない」にチェックON時)

No title

QHYの姿勢は今後 ASCOM ドライバを推奨していくようなので、今後 PHD2 は個別に QHY カメラへの対応は行わないかもしれません。となると、5III を主力ガイダーとするのはちょっと厳しいかな~、と思っています。

5III のドライバは(ASCOMドライバ共々)月に数度の頻度でアップデートされているので、今後のドライバ改善次第では大きく状況が変わるかもしれません。

No title

> KENさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。
IMX290の方が、画素がやや大きい分(かといって大きすぎないのがミソですよね)、感度が高いので、より星雲撮影に向いていると思います。
淡い部分を出そうとすると、どうしても、横縞が気になってくるので、やはり、100枚くらいは枚数稼ぐことと・・あとは、やはり総露出時間が、1時間ないし100分くらいかけてあげると、コンポジット後の画像のコシも強くなるので、ぜひやってみてください。
TNK撮影でも、かなりの作品が仕上がると思います!

No title

> huqdogさん、こんにちは。
ボクも、PHD、PHD2と試したのですが、てっきりXPのPCで、USB2.0で接続したせいかと思っていました。
ASCOMドライバのせいだったのですかー・・・
とはいえ、MaxImDLで、使った場合(やはりASCOM経由ですが)、ガイド星の周囲のみの更新になるおかげか、実用レベルの転送速度になると感じました。
まぁ、実戦はしてないのですが・・
できれば、SXVR-H694のOAG9に組み込んであるLodeStarの置き換えも考えている(面積やや大、感度は・・同程度か若干落ちるか・・?でも、面積の方が効いてきそう)のですが、主力機の構成をそう簡単に崩したくもないので・・・ガイドも、事前テストをしてみた方が良さそうですね・・。

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> HUQさん

>月に数度の頻度でアップデートされているので、今後のドライバ改善次第では大きく状況が変わるかもしれません

また、何か判りましたら、ぜひ教えてください m(_ _)m
できれば、やっぱりPHDで使いたいですしねー・・
いつも、有益な情報、本当にありがとうございます!!

No title

QHYのASCOMドライバがV0.1.50.1 になっています。
178M で PHD2の全画面更新が4~6秒掛かっていたのが、2~3秒で済むようになりました。若干高速化されたようです。

No title

それと、私も電子ファインダーとガイダーを同一Cマウントレンズで共通化できないかと思い、MaxImDL の guide を demo 版で勉強し始めました。

電子ファインダーは「何処を見てるかすぐ判る」ために、フルサイズ換算で標準レンズに近い画角である必要があります。
そこで f=12mm + 178M で対角画角40°、ピクセルあたり画角40" というスペックで両立できないかを模索中です。
撮影鏡筒が f=200mm + D810A 程度ならなんとかなるのではないか、と想定して試行錯誤中ですが、なかなか課題山積です。

No title

しかし、まずは MaxImDL は ASCOM ドライバ経由でも画像更新が速いのは良かったです。画像取り込みを別スレッドにするオプション等をONにすると、Multistar guiding でも非常に高速に取り込めますね。(何星使ってるか不明なので、星数増えることによるガイド精度向上は今一つ期待できないような感じですが…)

また、ガイド中の修正信号の min だけでなく max も決められるので、1ステップあたりの駆動角が大きい電動軸の制御もやりやすいですね。

私はデジカメ撮影しかしていないので実際に MaxImDL 購入にまで至るかどうかは未定ですが、とりあえず1ヶ月使い倒してみます。

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> huqdogさん、おはようございます。

ドライバの件、ありがとうございます。早速DLしとこう。

MaxImDLだと、部分転送なのか更新が早くて良いですよね。最近、専らPHDだったのですが、また使ってみようかと思います。

ガイド・カメラ制御周りだけではなく、画像処理もなかなか良いですよ。
コンポジットは、ステライメージより迅速だと思いますし、カブり補正もAutoRemoveGradientで、一発です。
バッチ処理したければ、CTRL+Qボタンで、処理を記録して一括処理できたりします。
周辺減光補正は、背景をマウスクリックする手間がありますが、8次Fittingで、2次フィッティングと思われるステライメージの周辺減光補正よりも、遥かに優秀です。

デジカメ画像だと、ダーク画像を読み込んで、ピクセルマッピングすることで、ダーク減算不要とすることもできます。・・と重要な情報をさらりと織り込んで見る・・・

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> huqdogさん、そういえば、一応、MaxImDL+DSLRで、Canon/Nikonのデジカメの制御もできたと思います。

Leave on CFで、カメラ側の記録メディアに書き込ませることもできたので(HDDだとFitsのみだったかと)、Eos Kiss DNの時は使ったこともありましたが・・

今でも、あるかな・・・

No title

ようやっと MaxImDL にも馴れてきました。
MaxImDL に電子ファインダー機能を保たす方法も、とりあえあず把握しました。(ガイド星クリックする度にポインターが消えるのが難点ですが…)
ガイド結果も良好で、f=350mm + D810A なら、f=16mm + QHY5III-178M で実用上ガイド可能と言えそうなことも判りました。
何より、修正周期1秒未満での高速修正が効いてます。
f=600mm + D810A (f=100mm + QHY5L-II) でのコマ露出8分ガイドでも、星像は完璧に点像を保ちました。
有能さが理解出来たので、今のところCMOS撮影の予定は無いのですが、MaxImDL Pro版を購入しました。

サラッと重要な情報をありがとうございます。
カブリ処理はいつも悩んでいるところで、データロスの無いSIの1次・2次傾斜処理を経た後もどうしようもない部分は、PixInsight や FlatAid Pro の「削り系フラット処理」に掛けてました。
8次Fitting はデータロス無し系の処理と思われるので、早速試してみたいと思います。

No title

> huqdogさん、すみません。
RESつけたと思ったのですが、どうにもネット環境が不安定の様で参ります(コミュファの案内で、e-Mobile使ってますが・・・)
マキシはマキシで、PHDとはまた違って良い点も多いですよね。
流石、ボクよりもすでに使いこなされてしまっていますね。

カブり補正も優秀ですが、ローカルコントラスや、また、DDPもFFT型を使うと、独特な効果が得られますので、買ってソンは無いですよ。

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プロフィール

UTO

Author:UTO
子供の頃、図鑑で見たパロマー天文台の天体写真に憧れて、天体写真を初めて幾星霜・・
デジタルカメラの進歩によって、当時のパロマ天文台の写真を超える天体写真がアマチュアでも撮れる時代になりました。

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