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QHY5III-178Cによる『まゆ銀河』

2月10日に、ほぼ満月下でぼうらや遠征に出かけたのは、以前に記事にした通り。
その時に、QHY5III-178Cでのテスト撮影を行ってきました。
本当はもう少し早く記事にしたかったのですが・・・
時間がとれる土日に遠征に出たりして、ちょっと時間が経ってしまいました。

まゆ銀河 NGC4485,4490 オライオン30cm反射望遠鏡 Vixen レデューサR使用 15秒×225枚 コンポジット

ビクセンレデューサRを使った時の合成F値は1056mmF3.52でした(直焦点を1200mmF4として比例計算)
レデューサR自体は、フィルム時代のモノですし、また当時のビクセンの反射望遠鏡のラインナップ(20cmF5、15cmF5、13cmF5.6)から考えても、F5クラスの反射望遠鏡での使用を前提にしていると思います。
そのせいか、若干、星像がミョーな感じになってます。
そういえば、当時、アイベルの広告で、F5→4.4と記載されていたのを記憶しています(λ/16の特注機X16も作っていたと記憶してます)。そうすると拡大率は0.88倍
今回も、まさに丁度0.88倍ですから、バックフォーカスは合っていそうですね。
流石に、F4ニュートンにはちょっとミスマッチか・・。
次回テストするとしたら、クローズアップACレンズを使ってみようかな?
1/1.8インチサイズって、直焦点で使うにはコマ収差が目立ってしまうので、ビミョーに難しいサイズだったりします。

QHY5III178C Orion30cm Vixen レデューサR 1056mmF3.52 15秒1枚画像

15秒露光した1枚画像を、ダーク・フラット補正後にMaxImDLでカラー化したものです。
1枚画像だと本当にかすかに写っているだけに過ぎません。が、これをスタックすると、きちんと淡い部分まで写っている・・・と、いうのがCMOSカメラの凄いところだったりします。

低読み出しノイズなので、一見ノイズに埋もれていても、積算(コンポジット)すると、ちゃんと出てくるんです。
CCDでもその傾向はあるにはありますが、CMOSの方が、読み出しノイズが、CCDの数分の1とさらに小さいので、効果が数倍あります。

画像処理はめっちゃ大変ですが・・・(枚数多いし、自動コンポジット出来ないし・・ノイズに埋もれて星を認識してくれないみたいです・・)

しかし、撮影結果は、なかなかに悪くない(十分、ディテールが出ている)ものになっているのは上の写真の通りです。
デジタルカメラと違って、映像エンジンを介していないこの種のカメラは適正露光にする必要がありません。
なので、前にも紹介しましたように、ゲインはあげず、オフセットのみ、最小限載せているセッティングです。
理論的には、これがベストです(本当は、ハイライトの飽和レベルの確認で、ゲインも入れるべきですが・・コンポジット前提の天体写真なら、ローライトの確認のみで問題ないでしょう・・・)
カメラの持つ、ポテンシャルを最大限に発揮させることが出来ていると思います。

しかも、これ、満月下の中での撮影で、ですよ。
今回、フラットは一応、撮ったので、処理していますが、恐らく、使用しなくても、いや、むしろしない方が画質が良かったかもしれません(S/Nが荒れる処理ですからね・・たぶん、この点はデジカメより冷却CCD使いの方が納得される気がしますが・・)

小さいセンササイズというのは、フラットの精度が問われない(場合によっては無しでOk)ですし、光害や月明かりがあっても強い。むしろ、CMOSイメージセンサの場合、月明かりは背景輝度レベルをおしあげてくれるので、CMOS特有の固定パターンノイズの緩和に役立つ。ASI120MMの時には何度助けられたことか・・・

デジタル一眼レフカメラによる天体写真とは、全く異なるというか、真逆を行っているのではないか・・という気すらしてきます。

デジカメの様に、撮影して、背面液晶に天体が浮かび上がる・・・この喜びは全くない。
撮影後の画像をPCで見ても、これでホントに、モノになるのかのぅ・・?というほど、ひどい画像。
やー、ニワトリの冷却CCDカメラ画像もなかなかに、萎える画像なのですが、CMOS短時間露光だと、さらにその上を行くというか。苦行でしかないですね。
せめて、自動コンポジットできると楽なんですけどねぇ・・・。

でもステライメージは本当に優秀で、1点指定で、さらに評価値を活用して、目視で選別していくと、良い映像が浮かび上がってきたりします。

前にも書きましたが、やはり、このテのCMOSカメラを使って欲しいのは、機材の安定度(赤道儀の追尾精度だったり、反射望遠鏡で、ガイドが上手くいかなかったり・・)のせいでデジタル一眼レフカメラでは苦労していている人たち。あるいは、あえて安定度が悪い反射望遠鏡を使ってるが、大口径という利点を活かして、入選をもぎ取りたいと考えている人たち。
(以前は、冷却CCDで、それこそ、ぴんたんさんやT-Fixさんが勝利を手にしてきた処ですが・・技術的には、CCDの方が、より要求されるレベルは高かった・・・です)

CMOSカメラだと、ノータッチガイドで済ませられる可能性も高いので、冷却CCDカメラよりも遥かに自由度が増すと思うんですよね。
デジカメで、いまいち上手くいかないと感じてる人には、強力な味方になると思います。
とりあえずの通過点としてでも、見識を広げる意味でも、伸び悩んでいる人には良い転機になると思いますしね。
前にも書きました様に、いつかは入選してやる!と思っている野心家にこそ、相応しいカメラだと思います。

長焦点系ではIMX174系モノクロカメラが、良いのですが、高精細裏面照射型のSTARVISセンサの能力をフルに発揮するのは、800mm~1000mmのニュートン反射望遠鏡です。
R200SSあたりはユーザさんも多く、デジカメにも対応できるユーティリティを用意もしてくれているにも関わらず、実は、強度的に弱い面もあり、苦労する機材でもあります。もちろん、ベテランは、その苦労を乗り越えて、作品化、入選されているわけですが・・・
そのレベルに到達する一助として、178系CMOSカメラを使ってみる、というのも一手かもしれません。

今回は、ボクは、カラーカメラを使っていますが、モノクロのQHY5III-178Mならば、より高分解能かつ高S/Nの映像を得られたと思います。
んー・・でも、露光時間は無理に短縮せずに、1枚辺りは10秒露光にして撮影かなぁ・・・。

天体写真の面白いことは、モチーフは一緒(派手なのは限られる)なので、あとは、それをどう切り取って、どうアプローチしていくか・・。

フルサイズのD810Aには度肝を抜かれましたが(まさか1インチ+中焦点系と競合してくるとは・・)、そればかりが天体写真ではありません。
クラッシックな冷却CCDカメラ、未改造のデジタルカメラ、IRカット改造や冷却改造までした、特化型デジタルカメラ、いろいろと制約条件が多いのは承知していますが、まだまだ中版フィルムによる散光星雲も健在でしょう・・あの透明感は魅力的です。さらにCMOSカメラも、冷却・非冷却・様々なセンササイズ・・・・。
なんとも、群雄割拠の面白い時代になってきていると思います。

ぜひ、野心をお持ちの方は、まだまだ黎明期のCMOSイメージングカメラでの天体写真にチャレンジしてみて欲しいなーと思っています。
下手にデジタル一眼レフのスキルが無い方の方が、のし上がってくる気がするんですよね。
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コメント

No title

手で一枚一枚コンポジットですか!?
頑張れば結果が伴うということですね。
是非やりたいですが僕に根性あるのかなぁ~
でも興味深い記事です。

No title

> タキさん,こんばんわ。
ステライメージの指定点で、1枚づつ、目標をセンターに入れてドラッグ、という感じで、ちまちまやりました。その中で、棄ててるのが倍以上あると思うので、実際には、500枚くらい1枚づつチェックしてたりします・・。

もう少しS/Nを稼げば、いつもどおり、自動コンポジットでいけると思うので、そのあたりは、利便性とトレードオフ?かもです。

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プロフィール

UTO

Author:UTO
子供の頃、図鑑で見たパロマー天文台の天体写真に憧れて、天体写真を初めて幾星霜・・
デジタルカメラの進歩によって、当時のパロマ天文台の写真を超える天体写真がアマチュアでも撮れる時代になりました。

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