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勤労感謝の日 ZWO ASI385

今日は勤労感謝の日、ということで、仕事(出社日)でした。
仕事がある事に感謝しながら、仕事に打ち込むというステキな日ですね(爆)
風邪ひいたのか喉やられて、ちょっーと微熱がある気もしますが、そんなの関係ねぇ!(あ、古い)
ま、、、咳も出ないし、大したことはない気がします。

さて、、少し前から気がついていましたが、前にちょこっとだけ触れたIMX385 イメージセンサを使用したカメラがZWOから出ましたね!

IMX385は、Sonyが提唱するSNR1sが、0.13となっており、極めて感度の高いカラーCMOSセンサーです。
IMX178のSNR1sは、0.46ですから、約3.5倍も感度が高いということになります。

然し、この3.5倍感度が高い、という事実を正確に把握できてる天文屋さんはどれだけいるのかな・・
SNR1s規格自体は、IEEE規格(128・・・いくつだったっけ・・汗)に準拠したもので、低照度のセキュリティ用途に特化した基準となる規格であります。

じゃあ、やっぱり、低照度の天体写真だったら、総露出時間が1/3.5で済むんじゃない?
と考えてしまう方もおられるかもしれません。
でも、これは規格(より具体的には計算式)を見ると判るのですが(とはいえ、自分もぱっと見で、ああこういうお話ね、というのしか見てないので勘違いはあるかもですが)、1枚あたりの露光時間を1/3.5にすることが可能ですよ、というお話で、総露出時間が、1/3.5倍になるわけではありません。

と、いうのは、被写体からの光・・・つまり、フォトン数が、天体写真の画質には絶対的な影響があるから、です。
Signal Noise Rate・・・SNR(S/N比)から考えると、1枚、単画像だけで考えれば、IMX385は、IMX178(カラー)カメラの1/3.5の露光時間で、同じS/Nを得ることができます。
これって、ラッキーイメージングでは非常に重要な事柄で、これだけでも、IMX385カメラとIMX224カメラは、究極のカラーCMOSカメラではないかと思います。

しかし、前述した様に、天体写真では(まぁ・・天文分野だけではないのですが)、被写体からの総フォトン数が画質を大きく決定付けています。

例えば、コンポジットをすると、画質が大きく改善されていくことは、みなさんご存知です。
でも、これってなんでだと思いますか?
n枚コンポジットすることで、√n倍、読み出しノイズが低減できるから・・・と考えるのは、過去の天文雑誌等から良く勉強されている方ではないかと思います。
もちろん、そういう面もあるのですが、実際には、被写体からの光が、コンポジットすることで、増えるので画質が改善していく方が大きいです。

天体からの光子は、露光時間を伸ばす程、イメージセンサに蓄積されていくので、長時間露光することで、蓄えられていきます。
ところが、CCDやCMOSでは、読み出しノイズ以上の光子数を確保できれば、これをコンポジットすることで、1枚あたり長時間露光した画質と同等になります。
これは教本にも書かれてますのでご存知の方も多いでしょう・・。
つまり、読み出しノイズ以上のフォトン数をかき集めることができれば、短時間露光×コンポジットで、同等の画質が実現できる(フォトン数はどちらも同じ)という訳です。

さらにあえて、付け加えれば、シグマクリッピングによる宇宙線の排除や、Drizzleの様な画素に対する位相ずれを応用した画像処理、等、応用性が増し、画質も向上させることができる、ということで、個人的には、同じ総露出ならば、多数枚の方が優れている(応用性、柔軟性が高い)と考えています。
自分の大昔のHPの記事でも、その点には触れている様です。

さて・・・つまり、コンポジットによる画質改善というのは、実のところ、ノイズの低減ではなく、光子数の増加が支配的であるということが大事です。
(読み出しノイズ低減を目的とするならば、多数枚より、1枚あたり長秒露光した方が実はノイズが少ないが、但し、暗電流ノイズの問題、Cosmic Rayによる宇宙線の問題は対応できない)

ようやく話しは戻ってきますが・・・
つまり、IMX385のSNR1s値だけに注目して、IMX178カラーに対して、総露出時間は1/3.5倍には決してならない、というのは頭の片隅においておいて貰えると良いかなと思います。
但し、画素ピッチによるフォトン数の差 IMX174 2、4μと、IMX385 3.75μの画素ピッチの大きさの差(バケツの大きさ)による光子数の差は、√3.752^2-2.4^2=1.562・・・ ということで、画素ピッチの大きさによるフォトン数の差が1.56倍に対して、センサ感度の差3.5倍ですから、なんだかんだで、総露出時間もひょっとしたら、1/2.27倍、ざっくり、半分で済むのかなァ・・・(同じフォトン数を稼げる、ということデス)

ちょっと酔いが回って計算・試算はアヤシイかもしれませんが(笑)
いずれにしても、やっぱりIMX385は究極のカラーCMOSカメラであることに間違いはありません。
まぁ、モノクロCMOSによる画像とのLRGB合成を前提とするなら、こんな議論は意味がありませんが・・(RGBBayerカラーフィルタと赤外カットフィルターで光量、つまり、フォトンをカットオフしてしまうカラーカメラと、全波長域から来るフォトンを受け止めるモノクロセンサーとは、フォトン数の差は歴然ですから)

あまり天文分野だと、光子の観点から考える文献は少ないと思ったので、、、
でもその他の分野では基本的に、光子数ありきで、その後に読み出しノイズから、撮れるか撮れないか?をシミュレーション計算するものです。
ただ、天体写真の一番やっかいなのは、空の明るさ・・・いわゆるSkyNoiseがあることでもあります。

ASI120MM初期のドライバや、僕が気に入った、ToupCamでは、このブログでも触れた様に、低ゲインでの低輝度は、映像信号が潜ってしまう現象がありました。
この場合、背景光の明るさ(=空の明るさ≒光害)は、実はカメラを助ける方向に働きます。
なので、CMOS=月夜に強い!(ADCのビット数はこれまた使い方の問題で、それこそ、大きな問題ではないのですが・・・まぁ・・・そのあたりも追々書きますかね・・・って、それこそ書けない内容かもなぁ・・・今回のはまぁ一般論の範疇ですが・・)
しかし、ウチのALICEⅡは大変なじゃじゃ馬で・・・。ぼうらやさんでM83とかM101なら未だ問題なかったのですが、自宅の光害の中だと、様々な問題が・・・。頭イタイ・・デス・・・。マジで。もうちょっと使えるかと思ったんだけどなぁ・・。

うーん、まぁ、CMOSイメージセンサは、各社が技術の粋を極めて、工夫しているだけに、CCDに比べて、定説とでもいいましょうか・・
他人が言う、この方が良い、こうするのがベスト!みたいな話しは、同じメーカ、同じセンサー所有者のお話なら尊重するに値しますが、ゲイン・オフセット設定まで参考にしてはいけませんし・・・(個体差、光学系のF値で変わる・・・まだデジカメのヒストグラムが・・の方が真っ当な判断ですかね・・)
やっぱり、パーソナルリアリティ・・・自分だけの現実。これを追求していくのがCMOSカメラでは特に大事かな、と思ってます。
昔、CANPで発表されたよしりゅうさんが、他人の上手くいかない(ダメ)は信じるな、上手くできた、は参考にせよ、と言うようなニュアンスで発表されていたと記憶していますが、まさにその通りかな。
もう15年以上前になるかと思いますが、恵比寿で飲んだのが懐かしいデス・・。菩提峠年末満月撮影会でお会いした息子さんもいまや立派になられたんだろうなぁ。

で、話し戻して・・。
うちのALICEたん、超じゃじゃ馬なんですが・・・・と、いうか光害地で使っちゃダメというのがよく判りました・・・(;´д`)トホホ…
今月、天文ガイド応募できる作品ないかも、です、、(´;ω;`)ブワッ
ALICE写りはいいのになぁ・・・あーあ、でした。

まぁ、ビットランさんも、
 


こう述べてらっしゃいますからね。
自分の経験も踏まえて、天体写真には、まだまだCCDが優位、というのは感じております。
CMOSなら、CMOSならではの追求が必要かなって思ってマスが、これがまた自分の経験からは、右に倣え!でなんとなかるシロモノではないと思っています。
逆にいえば、だからこそ、やりがいもあるし、面白いのですけどね!

冷却CCDカメラ、ミラーレス一眼、デジタル一眼レフ、改造デジカメ、冷却改造デジカメ、CMOSカメラ、、、
機材面ではまさに戦国時代。
この中で、何を使って、何を表現したいのか、何を魅せたいのか・・・
従来よりも、少し大きな枠組みの中で、先に述べた様に、自己主張、パーソナルリアリティをどう訴えていくのかが大事になってきたのかな?と思っています。
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コメント

No title

うーん、大変ためになる記事。
僕も結局フォトンがパラパラとしかこないような暗い天体は長時間合計露出でフォトンの分布を均す以外ないと感じていたのですが、やはりそうなんですね。
読み出しノイズとかダークノイズの問題より大きいのではないかと思ってたのが補強されました。
そんなことを考えていて最近は合計露出時間が5時間程度では短いという感覚になってきてます。
どこかにお書きになっていたかもしれず、いまさらの質問なんですが、CCDとCMOSで同じ10分露光をしたときにCCDが優位になるのはなぜなんですか?教えてください。

No title

> ぴんたんさん、こんにちは。
そうですね、やはり最終的には、総露出時間を伸ばすしかないか、と思います。
あと、1点気になっているのは、昔、すばる望遠鏡のM82のデータを見たら、かなり露光時間が短いんですよ。
大口径で集光力が大きいので、フォトンを集めやすいからだと思います。しかし・・それだと、同じF値なら、同じシャッター速度で撮れる、という写真の基本線から外れてはくるのですが、SN比での議論になるので、また話が違ってくるのかも・・・。とはいえ、実際、10cmF4と20cmF4で同じ天体を撮影したら、20cmの方が露出短くて済んだぜ、なんて話は聞かないし・・。

すばる望遠鏡があんなに短時間露光で済むのはなんででしょうね、、まぁ集光力が桁外れだからかもしれませんが・・。
やはりなんとなく大口径有利な点があるんじゃないかなとは思っています。

No title

> ぴんたんさん、
ひとつは、CMOSカメラは、CCDに比べて基本的に読み出しノイズが低いので、長秒露光してしまうと暗電流ノイズが増える為、せっかくのCMOSのメリットを打ち消してしまう。

もうひとつは、これまたセンサの仕様によりけりな面もあるのですが、CCDに比べると、数値自体は低いものの、ランダムノイズが多いです(縦縞、ヨコシマも含めて)。これらは複数の読み出しで、つまり、コンポジットで緩和されるわけですが、1枚あたりの露光を伸ばして枚数が少ないと、天体写真の様な微弱光だと、画像処理した時に問題がでてきやすいのではないかと思います。

もっとも、実際に冷却CMOSを持ってないので、推測でしかないので、たっぷりなS/Nが得られていたら、読み出しノイズのランダムノイズは影響が出ないレベルかもしれません。

No title

> UTOさん
なるほどー。
すばる望遠鏡となるとちょっと想像がつかない光量なんでしょうね。
CMOSが長時間露光だと有利さを充分発揮できない理由ありがとうございました。
冷却するとまた違うかもしれない、ということですね。
ASI1600MM-Coolを冷却し忘れて撮ったとき、ちりめん縞ノイズがでましたが、冷却との差はこれですかね。

No title

> ぴんたんさん、おはようございます。
https://www.subarutelescope.org/Pressrelease/2000/03/24/j_index.html
のM82のキャプションを見ると、
使用望遠鏡: すばる望遠鏡 (有効口径8.2m)、カセグレン焦点
使用観測装置: FOCAS
フィルター: B (0.45ミクロン)、V (0.55ミクロン)、Hα (0.65ミクロン)
カラー合成: 青(B),緑(V)、赤(Hα)
観測 日時: 世界時2000年2月2日
露出 時間: 30秒 (B)、25秒 (V)、120秒 (Hα),各色2フレームをディザリング

をいをいマジカヨ・・って感じですよね。カセグレン焦点って、F8くらい?と思ったら、F12.2だそうで・・(◎-◎;)!!

No title

> ぴんたんさん

えーと、冷却しても、読み出しのランダムノイズ(白点、横縞、縦縞)は残るので、ぴんたんさんがやられているナローだと、長秒露光では苦しいかも?

ただ、これこそ、センサーメーカでかなり変わると思いますからPanasonicセンサーだとどうかな・・ロンキーさんがお持ちですが、あんまり詳しく見なかったので・・。

背景があがるLだと、読み出しノイズが背景光に埋もれてくるので、逆に1枚あたりのS/Nが上がる分、冷却CCDと遜色がない使い方ができると推察します。

No title

> UTOさん
口径8.2m、F12.2ですか。焦点距離100m!
これを巨大CCDセンサーで受けとめるわけですね。想像を絶する世界ですね。
フォトンの総量という意味では、センサーサイズがそのまま効いてくると思いますが、この画像を撮影した当時のセンサーサイズってどのくらいなんですかね。

No title

> ぴんたんさん、おはようございます。

確かに!センササイズも大きそうですね!
Focusはちょっと判らないのですが、うろ覚えですみませんが、SuprimeCamだと、60mm×30mm 800万画素の裏面照射CCDを10個並べてます。もし同じセンサだとすると、Focusは2つなので、60mm×60mm?(間に不感帯があるので、M82は少し位置をずらして比較明合成してるっぽい痕がありますね)
視野6'ということなので、もう少し大きいかもしれませんが、センササイズはそう大きくは外してない気もします。
あとは画素数と画素ピッチですが、当時800万画素は作れてない気もするので、画素ピッチが大きい可能性がありますね。案外、高解像の画像サイズがそのままフル解像だった可能性もありそう・・・。

No title

いまのすばる望遠鏡のメインカメラだとフルサイズデジカメの100倍以上の面積があるので、それこそあっという間に十分な露光ができそうですね。

No title

> ぴんたんさん,そうですね!
センサーはハマホト、補正レンズはCanon、オールジャパン(か、どうかは判りませんが・・・)で、宇宙の解明に取り組んでいって欲しいものです。
イメージセンサはフルディプレッションタイプなので、赤外感度が凄く高いですよ・・。

No title

60×30mmのセンサー114個だとフルサイズセンサーの240個ぶん!
1分露光でデジカメ4時間分かー。
赤外にも強いんですね。
浜松ホトニクスとキヤノンの合作、ジャパンパワー誇らしいですね。

No title

> ぴんたんさん.ものすごいですよね。
補正レンズも、以前のCanpでの講演で、確か直径1mとかいう話しが・・・
なんとも、ビッグスケールですね。

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プロフィール

UTO

Author:UTO
子供の頃、図鑑で見たパロマー天文台の天体写真に憧れて、天体写真を初めて幾星霜・・
デジタルカメラの進歩によって、当時のパロマ天文台の写真を超える天体写真がアマチュアでも撮れる時代になりました。

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