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系外銀河向けの光害カットフィルタ

もう、ここ5年程、自宅撮影が中心で撮影しています。
子供が3歳になってくれれば、それなりに手がかからなくなるのは判ってるので、あと1年半、もうしばらくは自宅撮影中心の天体撮影を考えなければなりませんが・・・
特定の輝線で輝いている散光星雲などでは、Hαフィルターを使うことで、光害地でも十分な撮像結果を得ることができます。
最近では、IDASさんのネビュラブースターや、AstroDuoフィルターといったマルチバンドパスフィルターを使うことと、CMOSイメージセンサの台頭で(デジカメの素子もCMOSですので)カラーカメラでも光害と戦えるようになっています。
昔から言われていることなのですが、天体写真に於いて、フィルターワークは非常に大事です。
ただ、天体写真の主流が、デジタル一眼レフカメラになってから、光害カットフィルターは露出倍数が・・などマイナス面の捉え方が大きくなっていて、ようやく最近のサイトロジャパンのQBPフィルターと、前述のようにデジタル一眼カメラの素子の進化(高感度適正)もあって、再び注目されているのかなと思っています。

とはいえ、QBP自体は、以前からあるUHCフィルターとほぼ同等の性能です(もちろん、ブラッシュアップされていますが・・さほど大きく変わらない)
亜鈴状星雲UHC-E

以前に、自宅撮影で、星ナビGallaryに採用されて嬉しかったのを覚えています。
AstroDuoフィルターや、IDASのネビュラブースターはさらに先鋭化されているので、より狭帯域、より高コントラストの映像が得られるようになっています。
デジカメ側の性能が追いついているのか不安はありますが・・・
冷却カラーCMOSのASI294ProやQHY294C、あるいはQHY268Cなどには有効だと思います。
それにしても、QHYは攻めますね。
アナログ回路が必要なCooledCCDを扱っているだけあって、やはりZ社より技術力が高いの
がは伺えます。
Z社は、民生用のSonyCMOSは扱ってますが、いわゆるScientificCMOSカメラを全く扱ってない点でも技術力という観点では、Q社の方が優れているのは明白です。

sCMOS、クセがありますからねぇ・・・。後段の回路・画像処理技術(FPGAなど、カメラ側での補正技術の実装)が無いとできません。
FLI社のKeplerシリーズはもちろんですが、QHY社もsCMOSに取り組んでいることから、躍進していきそうです。
その一方で、Z社の方は、AsiAirなど、ユーティリティーに力を入れており、中華両社の色合いの違いは明白で、これはこれで面白いと思います。

話が逸れてしまいましたが・・
特定の輝線を放つ散光星雲や惑星状星雲と違って、連続光の系外銀河撮影では、光害地では、純粋に近赤外線の感度も大きく効いてきます。
これは、ST8300Mと、ST8XME,ST10XMEなど近赤外感度が高いCCDを使っている自分の感覚からは、相当な差があります。

そのため、Kazさん(Kobe1995さん・・ですよね・・・)が仰るように、シリコンセンサーが受光できる1100nmまで素通しの光害カットフィルターが欲しいというのは、まったくもって同意です。
で、素通しではないのですが・・

最近、発売されたKenkoさんのスターリーナイトフィルター。
色素系と聞いていて、恐らく赤外線は通すだろう・・

SNF
と思って、ググってみたら、案の定、NIRもバンド幅はあるものの一応、通すようです。
750nmの落ち込みは気になるのですが・・(前記事の反射望遠鏡のミラー反射と考えると・・)

連続光の場合、あくまでも相対値ですからね。
光害成分はなるべくカットしつつ、必要な光(フォトン数)を確保することで、s/nが上がるわけです。
LED光源に置き換わっている現在、案外、この特性は魅力があるのかなと思います。


ところで・・。LEDは指向性が非常に強い為、山ひとつ越えるだけでも、光害はかなり遮断される筈です。
実際、自分の感覚では、磐田市の光が直に来てしまう、獅子ヶ鼻公園と、山ひとつ(ふたつ?)はさんだぼうら屋さんとでは、かなり光害の印象が異なる(ただし、ぼうら屋さんでは浜松からは直で来る)のですが、実際、遠征されている方の感覚はどうでしょうか?

LEDが推し進められていけば、ますます、光害地と遠征撮影の差は大きくなる筈です。

あ、スターリーナイトフィルターですが、Φ48mmがあれば、即ポチだった(確実に効果的なので試してみたい)のですが、Φ49mmということから、ま、じゃ、いっかーって感じで、ポチってません(笑)
なんで、2インチサイズがないかなー・・

それにしても、技術の進歩で、吸収型フィルターでも、干渉フィルターにせまるような特性のフィルター設計が可能となっているようです。

あ、もう少し言えば、吸収型なので、干渉フィルターと併用してもゴーストは出ないのではないかと想像しているのですが、どうでしょうか。。。

星景用だけではなく、直焦点用としても、使い方次第では非常に有用だと思います。
もっとも、特性が急峻なので、これでゴーストが出るとなると、それはそれで、従来にない製品だけに新たな知見となる筈です。


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コメント

こんにちは!
お子さんが小さいという事情、私も同じです^_^
私の場合は遠征するなら連れて行け、というワイルドな命令が嫁から出るのですが。

でも技術の進歩で、自宅撮影が充実してくれると助かりますし、天文入門のハードルが間違いなく下がると思います。
自宅撮影に適したフィルター選び、とても参考になります^ ^

No title

こんにちは。
相変わらずの深い考察大変参考になります。
超光害地の自宅から何とか星雲が写せないかとAstroDuoフィルターをポチってしまいましたが、見える空が非常に限られているので難儀しています。それでも夏の南天は幾つか対象があるので試して見ようと思います。こちらでも宜しくお願いします。

こんにちは、
このフィルター、よく見ると昔からあるDidymium Filterですね? (Ndで589nm他を吸収し、Prで色合いを灰色に戻したもの)
Didymiumメガネ(ガラス細工用)を持っているのですが、夜空を見ても、う~ん?という感じで、ナトリウムランプの光が勝っていないと劇的な効果はなさそうに思いました。
写真を撮って比べたことはないのでよくわからないですが、過大な期待は禁物として、どの程度効果があるのは興味のあるところです。

当地北摂では南側大阪方面の街明かりがひどくて透明度が良くても南空低めは2等星が見づらく困っています。。

Re

UTOさんの所も昔に比べて明るくなって来ましたね。
一連の記事で光害地でのフィルターワークの大変さがわかった気になりました。
Kenkoのフィルター過去にバラした時に小さかった覚えがあります。スターリーナイトフィルター49φの物が48mm枠に入るかもしれません。誰かに試して欲しいですね。
もう少し自宅撮影が続くと思いますが、昔のように遠征地で一緒に撮影出来る日を楽しみにしています。

No title

最近SSOリモート天文台でデジカメ使っているとなかなか日本で修行する気が起きないんですが、高感度CMOSカラー+ネビュラブースター+RASAでどこまで戦えるかちょっと頑張ってやってみます。改造EOS M6を手に入れたのですが露出時間をかけなきゃいけないんでやっぱり非冷却は厳しそうです。

Re: タイトルなし

> タカsi さん、こんにちは。


ひえー、遠征に連れていけ、ですかぁー。
それはそれで大変ですねー
 
今はカメラがよくなっているので、光害があってもそれなりには楽しめます。
あと、1年半ほど、自宅から頑張ります (`・ω・´)ゞ

Re: No title

> シュミットさん、こんにちは~。

AstroDuoもいいフィルターですよね。自分の場合、ネビュラブースターNB1を、と思った時にKYOEIさんだったかな?NB2が出ると書いてくれていたので、じっと我慢してました ( ̄▽ ̄;)

思ったよりも早く出てきてくれたので、梅雨入り前にテストしてみたいなー。晴れないかなっと思ってます。

こちらこそ、よろしくお願いします m(_ _)m

Re: タイトルなし

> YAMASHITAさん、こんにちは。

ジジミウム!お恥ずかしながら知りませんでした~(・・;)
うわー、ほんと、特性がまんまそうですね。

そうなんですよねぇ、特性としては、NIRは抜けてくるので、市街地での系外銀河には有効そうなものの、Φ48mmがなかったので、即ポチせずにすみました (; ̄ー ̄A アセアセ・

散光星雲や惑星状星雲なら、NB2-PMが効果が大きいと思いますので、YAMASHITAさんも1枚どうですか?

Re: Re

> GENTAさん、こんにちは。

LED照明になって、直接光が来てしまうのがツライところです。
また、おっしゃるように空も明るくなりましたね・・

Kenkoフィルタ情報もありがとうございます。
48mm枠、余ってたら、そう高いものでもないので、ポチってみようかなあ。
ただ、一応、ウチからだと、Clearフィルターで撮影できているのもあって悩ましいところです。

もう少ししたら、遠征にも出られるようになると思います。
春天のメンバーにも加えていただきたいと思っていますので、その際は宜しくお願いします m(_ _)m

Re: No title

> Mikさん、こんにちは~

高感度CMOSといえば、裏面照射APS-CのQHY268CもWebで出てますね。
https://www.qhyccd.com/index.php?m=content&c=index&a=show&catid=94&id=56

もっともQ社さんは製品化までが長いので、QHY247Cで正解だと思いますが・・

ネビュラブースターNB2-PMだと半値幅がだいぶ狭くなってきているので、日本国内からでも面白いのが撮れそうですよね。
時間は長くなりますので、冷却しないとやっぱりきついですよね。
撮影結果、楽しみにしています。

改造KissM6かぁ。。僕もそろそろ天体撮影用のカラーカメラをちゃんと考えないと・・と思っているのですが、フジは改造ダメだし、さてどうしてものかな、、、。
結局、僕も、カラー冷却CMOSに落ち着くかもしれません。

No title

モノクロ裏面照射CMOS画像センサが出てくれれば良いんだけどねぇ。
半導体はメチャクチャ数が出ないと作ってくれないからなぁ。小ロットだと
世界的に見ても浜松ホトトギスと京都の製作所ぐらいでは?昔はKodakが有ったけど。
ちなみにkaz=kobe1995です。Y!だと自明だけど、ここはFC2でしたね。

Re: No title

>Kazさん、こんばんわ。

> モノクロ裏面照射CMOS画像センサが出てくれれば良いんだけどねぇ。

でてますよぉ。QHY600M つhttps://www.qhyccd.com/index.php?m=content&c=index&a=show&catid=94&id=55
60MPixel ExmorR(BSI) フルサイズ 3.76μ□ リードノイズ2.3e- 16bitA/D

なんというか、欲しいスペック、全部盛りっ!って感じです。
でも、お高いんでしょうかねぇ・・・。

個人的には、フルサイズでなくていいので、フォーサーズで安価なモノクロBSIカメラが欲しいッス・・。


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プロフィール

UTO

Author:UTO
子供の頃、図鑑で見たパロマー天文台の天体写真に憧れて、天体写真を初めて幾星霜・・
デジタルカメラの進歩によって、当時のパロマ天文台の写真を超える天体写真がアマチュアでも撮れる時代になりました。

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