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IDAS Type2とType3 RGBフィルターについて

IDAS社といえば、最近では、NebulaBoosterや、光害カットフィルターのLPSシリーズ等で知られています。天文用フィルターの第一人者という感じです。
さて、そのIDAS社、かつては非常に優れたLRGBフィルターを販売していました。

IDAS type2LRGB
IDAS Type2 LRGB特性
こちらは、後日、ほぼ同じ特性のフィルターがAstronomik社から出ていたりしますが・・
RGB各フィルターの特性の重なりを大きくし、ナチュラルな色合いを出そうという特性です。
実際、IDASさんのType2LRGBで撮像すると、なんというか、まろやかな色彩が表現されます。

IDAS type3LRGB
IDAS Type3 LRGB特性

ネビュラブースターもそうなのですが、IDASさんは昔から、チャレンジングなフィルターを提供してくれています。
Type3 LRGBの1番の特徴は、Rフィルターが、通常の550nm以降、700nmまでを透過する他、450nmよりも短い波長の光を通す、特殊な仕様です。

この特性は、Hγ 434nm,Hδ 410nm,OⅡ 372nmの輝線を拾うことと、青フィルターとオーバーラップさせることで、青紫色の色再現を試みた、非常に意欲的なフィルターです。
IDAS Type2vsType3
さて、実写の比較を見てみましょう。(大きい画像はこちら
ZWOフィルタホィールのテストを兼ねて、ST8300M冷却CCDカメラで撮像比較してみました。

但し、Bフィルターについては、OⅢ輝線をほぼ通す、試作品のType1-Bを使用しています。
Type1-B、Type2-G,Type2-R or type3-Rでそれぞれ撮像し、RGB合成した写真での比較です。

Type3LRGBの、紫色を再現する、という効果はある程度成功を収めているのではないかと思われます(緑の矢印)
ごく若干ですが、Type2に比べて紫色寄りの発色かな、と。
その一方で、Hα(&NII)に起因する構造描写は弱くなっています(白い矢印)

これは、やはり短波長を通し、バンド幅が広く(マルチバンドですが)した結果、特定輝線の構造描写が混色し、特定構造抽出は弱くなっているからだと思います。

結果として、使い所が難しいフィルターなのかな、という印象です。
でも、散光星雲には美しい色彩を表現してくれるのではないかという期待もあるので、散光星雲を反射系で撮る場合はtype3という選択肢もあるのかな、と思いました。

あとは、薄雲がある中で撮像したので、左上の輝星が青色(短波長なので拡散しやすい)で滲んでいます。しかし、これも、Type3では、Rフィルターでも滲みがあるため、色彩と階調がある意味、豊かになっていて、興味深い。
色収差が残る屈折系では、青ハロが紫ハロになってしまう(今回も輝星の滲みに差が見えます)ので、屈折だとType2一択ですね。
フィルター特性は案外、馬鹿にできないものだと思えますし、星雲の写りからすると、大差ないのではないかとも思えます。しかし、この特性の差は画像処理でリカバリーするのは不可能とはいいませんが、難しいと思います。



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UTO

Author:UTO
子供の頃、図鑑で見たパロマー天文台の天体写真に憧れて、天体写真を初めて幾星霜・・
デジタルカメラの進歩によって、当時のパロマ天文台の写真を超える天体写真がアマチュアでも撮れる時代になりました。

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