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久しぶりの星ナビ入選!

毎月5日は、天文雑誌の発売日♪
5日は、上の子の運動会でしたが、昼寝をしてから、夕方、所用のついでに本屋さんに行ってきました。

星ナビ入選は、いつぶりだろう・・・ ^^;)
螺旋状星雲NGC7293
星ナビ 2019年11月号 入選作 らせん状星雲 NGC7293 (クリックでフォト蔵)

あまりにも晴れなかったので、2016年に撮影したデータを合わせて、なんとか仕上げました。夏のシーイングのおかげでディテールは良く出たと思います。

2016年に福田港で撮像した画像も足して、なんとか作品に仕上げました。
Hαフィルタでも、背景の輝度レベルは自宅だと、さすがにカウント値が高めになります。が、これまた、イメージセンサーの特徴、というお話になってしまうのですが、自宅撮影の方が上の淡い腕の部分の描写が良いのです。
透明度の差?は、2016年時の天の川の写りを考えたら、恐らく大差ないと思います。
単純に、背景の輝度カウントがある程度以上上がらないと、イメージセンサの読み出しノイズの影響が支配的になってS/Nを若干ですがソンしてしまう、というお話です。
CMOSは読み出しノイズがCCDに比べて低いので、そこまで考えなくても良くなってきましたが・・

僕の場合、同じ機材で同じ天体は撮らない(結果があまり変わらない)ので、今回のように、どうしても晴れなくて。。。といった状況でないと、そもそもの比較すら出来なかったのですが。
なかなかに興味深いデータになった、と、いいますか、やっぱりHαフィルタ使っていても自宅だと背景レベルが上がるんだなあ、、と素直に思いました。

ちなみに、CCDStackで背景レベルはノーマライズ(揃えて)した上でスタックしています。
ノーマライズの有無も、こういうシビアーなところでは影響しますからね、、

ステライメージでもやっている、と昔から聞いてはいますが・・実際、どうなんだろう・?
レベル調整した値を使う、にチェックを入れれば、スケーリングした上でノーマライズして合成したことになるのかもしれませんが・・バッチでは???

天文ガイドには観測の部で、卵星雲の偏光で、採用させていただきました。
Egg星雲の偏光

PLフィルタでEgg星雲の偏光を狙ってみました。思った以上に小さく難物で、HSTのように美しく撮れませんでした。

僕の天体写真の原点は、やっぱり、天文台写真なのです。子供の頃に図鑑で見たパロマ天文台の写真。特に印象的なのはM57の波長でフィルタ分光した写真と、NGC1300の銀河の写真なのですが・・。あと、もう子供ではなかった(高校1年か中3か)が、ロシアの6m望遠鏡でのHαフィルタで写したM81なんてのも、興味がそそられたかな・・(これは天文ガイドに記事があった)
だから、20年も前にHαフィルターを購入していたりしますし、もちろん、M81もHα単色撮像しています。

余談はさておき・・
HSTで撮影されたEgg星雲の偏光画像は大変美しく、これは撮ってみたい!と思わせるに十分なものでした。
しかし、偏光撮影のノウハウについては、ほとんど情報がありません。
いくつかの論文や文献、ネット情報を拝見して、単純にPLフィルターを回転させれば良いのはわかりましたが、基準となるところをどこにすれば良いのか?
地面と望遠鏡を水平にしたところ、という話もあったと思いましたが、それって凄く疑問・・

田中光化学工業のTaNaKaさんとは、昔、相模原天体写真協会で、ご一緒した旧知の仲。
彼は国内光学メーカのO社に勤めた後、アリゾナ大学で学んだエキスパートです。昔から、それこそ、Hαフィルターなら、月夜でも撮れるのではないか?という問いにも明確に答えてくれたり(1999年のことデス・・。世界的にも例は少ない中で、SBIGがHαフィルタを市販したので、当時、自分の仕事でちょうど蛍光発光やっていたので、これって凄いことでは!?と質問したのでした)

さて、TaNaKaさんに、どこを基準にすればいいのだろう?と、質問したところ、ストークスの定理より、偏光撮像に基準はないよ、と丁寧に説明していただいたのが、5年ほど前だったかなぁ・・

かに星雲の偏光
それを受けて、ようやく、システムを準備して(ちな、φ52mmPLフィルタも買ったのですが、厚みがあって、フィルタBOX入らず・・)、かに星雲で入選したのが、2016年5月号。

結局、φ46mmの偏光フィルターと、φ46-52mm変換リングでなんとかAstroフィルターBOXに納めることができたのでした。
偏光フィルターの基準位置は、普通に、カメラレンズの前にPLフィルタを装着して、一番効果があったところと、90度回転させた位置(つまり、効果が弱い)ところを原点としたのだったか、太陽とは反対方向にして効果を見た(これはPLフィルタの効果から)ので、光源方向なら、このままで良いだろうと思ったのだったか・・・
ちょっと忘れちゃいましたが ^^; とりあえず基準を決めてっと。
まぁ、ストークスの定理から、基準はどこでも良いも理解ってるわけですから・・・。

で、今回のEgg星雲は、HSTの撮影結果に近くなるように、RGB合成してみました、というワケです。
実際には、90°の位置をGとすると、都合が良かったことから、これを基準として、R画像を-45°。B画像を45°として記載したというお話です (; ̄ー ̄川 アセアセ

以前のM1の撮像結果から、モノクロカメラだと面白くない?と思ったのですが、偏光撮像では、偏光成分は光量減になります。思った以上に苦しかったです・・
あと、オライオンの不安定さも手伝って、例えば、-45°の撮像時って最後なので、アルミ筒だったこと、低空になった?こともあって、星像が肥大してますよね・・
これだと、偏光カラー合成した際に悪影響が出る筈で、結果的に、何を撮ったのか解らなくなります・・。
前回のカニ星雲は、その点もきちんと考慮していたと思いますが・・
不安定なオライオンで、偏光撮影を行うのはナンセンスでした・・・

とはいえ、かに星雲の偏光を見るに、偏光前の画像って、カラー画像で見たいじゃないですか・・
それってカラーカメラにしか出来ないことなんですよね・・。
もう少し、ブラッシュアップしていきたいなあ・・と思いました。

あと、せっかくのカラーカメラなのに、偏光カラー以外、モノクロっぽく見えるのは、こりゃダメですね。せっかくカラーカメラで撮ろうと思った意義がなくなってたとゆー・・(; ̄ー ̄川 アセアセ
もう少し、表現力も磨きをかけないと・・・

まぁ、少なくとも、Egg星雲の偏光撮影は、またやってみたいと思います。
それこそ、次はインパクトロンCCDかな?
やっぱり、個人的には、単板カラーよりもモノクロセンサの方が好みです。

でも、かに星雲は、カラーで偏光やってみたい気もします。
今回は、ちと相手が悪すぎました。
入選してくれてラッキーでした。

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コメント

No title

こんばんは。
星ナビ・天ガ、両入選おめでとう御座います!
星ナビ誌面のNGC7293を見たときは、なんじゃこれ〜、って声が出そうでした。
瞳の光彩の様な構造に興味を惹かれます。
う〜ん、 光害地でのH aの可能性、まだまだ開拓の余地がありそうな気配です。
偏光フィルターによる擬似カラー化、見たことない作例ですが、UTOさんらしい科学的なアプローチ作品だと思いました。
今回の記事も未知の領域で勉強になりました^^

No title

こんにちは
W入選おめでとうございます。
らせん星雲は、内部の縦ヒダ構造と周辺部の淡い拡がりが詳細に描写されており、非常に美しいです。過去の画像とブレンドされたとのことですが、うまくブレンドすれば各々の機材や撮影地の長所が合わさり、逆に短所は打ち消されて、1+1=2以上の作品が生まれるような気がしています。何かブレンドにコツのようなものがあれば、ご教授ください。こちらは今は機材が1種類ですが、いつかトライしてみたいと思っています。

No title

こんにちは。入選おめでとうございます。

誌面では分からなかった詳細な模様が見えてきて、さすがとても見事な作品だと思います。

お恥ずかしながら、偏光疑似カラー合成という手法を知りませんでしたが、対象によってはかなり面白そうですね。

先日たまたまQHYのHPを見ていたときに見つけた「QHY550」という製品も、見たところ同じような原理で偏光疑似カラー合成に使えるのではないかと、素人ながら興味があります。

https://www.qhyccd.com/index.php?m=content&c=index&a=show&catid=94&id=51

おめでとうございます

ダブル入選おめでとうございます~
Egg星雲の偏光画像って何だろうと思いましたが、見たことがありました。確かにインパクトのある画像ですよね~。HSTはふた昔前という印象ですが、まだまだ高い目標ですね。
とても小さい天体なんでしょうけれど、ちゃんと色が再現出来ていて素晴らしいです。

Re: No title

>タカsiさん、 こんばんは。

どうもありがとうございます。
螺旋状の方は、3年前のリベンジも兼ねてました。構造描写自体はあんまり変わらない気もしますが、いろいろと細かなところでブラッシュアップできたのが良かったのかな?と思います。

偏光撮影も、興味はあったので、ぼちぼちとやってみています。
次回はもう少し、HSTに近づけるように、ディテール描写とS/N改善ですかねー・・
今回、ワンショットカラーにこだわってしまったのが失敗だったと思いますので、次回はモノクロカメラでやってみたいです。

Re: No title

> koropo さん、こんばんわ。

どうもありがとうございます。
過去画像とのブレンドですが、今回は同一光学系の撮像でしたので、ダーク・フラット補正済みの画像まで戻って、処理しています。
背景輝度レベルが異なるので、確実にNormalizeしてコンポジットしてくれるソフトが必要で、CCDStackを使っています(まぁ、いつもどおりの冷却CCDの処理なのですが・・)

異なる機材のブレンド合成については、仰る通りで、作品の深みが増すように感じています。
合成方法ですが、ステライメージで、回転・拡大率を合わせて、Psで合成という手段を使っていましたが、名手ぴんたんさんにCANPでご教授していただいたのは、PIでSAでした。自分の作例では、M64についてはそうやってます。

Re: No title

> nabeさん、こんばんわ。
どうもありがとうございます。

偏光撮影も面白いですよ。
反射星雲は10%程度の偏光があるそうです。その他、太陽・月面・彗星でしょうか。
M1かに星雲は特殊でシンクロトロン放射により、偏光が特に強い天体です。

QHY550、実際にどうデータを吐き出してくれるのかが不明ですが、ワンショット一発撮りで偏光撮影ができてしまうのは楽でいいなあ・・。

あと、この第二世代Pregiusセンサーは、1型や1.1型も用意されているので、通常の冷却CMOSカメラとしても出してくれるといいのにな、と思いますが・・・QHY183Mと差別化が図りにくいのかも・・。

Re: おめでとうございます

> hanaさん、こんばんわ。

どうもありがとうございます。
Egg星雲の偏光画像は大変美しいのですが、こういう天体を狙ってみると、やっぱりHST画像との落差にちょっとガックリしてしまいます。
モノクロカメラで撮ればもう少しはマシになると思うので、またどこかで狙ってみます(`・ω・´)ゞ

No title

W入選おめでとうございます。
僕の下にUTOさんの名前を見つけて左を見ると大きくはっきり写ったNGC7293が。さすが凄い解像していますね。

Re: No title

> のんたさん、こんばんわ。
どうもありがとうございます&入選おめでとうございます
原村での作品、お見事でした。

NGC7293、中心部のディテール描写は満足です。2016年時は、枚数が足りてなくて、無理がありすぎましたが、今回は、今年撮影分も追加することで、なんとか・・?いや、無理しているのは変わらないのですが・・

以前に、福岡の方(今月号も入選されていたと思いましたが)が、凄いのを撮られていたので、また別のアプローチで狙ってみたいと思っています。
画角的に1型だとちょっと苦しいので、イプシロン200で撮ろうかな、、

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プロフィール

UTO

Author:UTO
子供の頃、図鑑で見たパロマー天文台の天体写真に憧れて、天体写真を初めて幾星霜・・
デジタルカメラの進歩によって、当時のパロマ天文台の写真を超える天体写真がアマチュアでも撮れる時代になりました。

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