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AutoStakkert!3 VS ステライメージ8

相変わらず、気管支炎が治り切らず、すっかり参っているのですが、所用があり、実家に来ていたりします。

さて、KoropoさんよりAS!のBruteForceAlignmentを教えていただいたので、再度、AS!3のテストをしてみました。
データは、星ナビ記事執筆時に使用したもののうち、適当な100枚を使用。
このデータは、2018年GW時にAS!でテストしたものと同じ。AS3.jpg
さしあたり、100枚画像から、50枚でスタックさせてみます。
SI8.jpg
こちらは同じデータをステライメージ8で1点指定+アクティブ画像から指定(要するに1点指定での自動位置合わせ)で処理。パラメータは上記の通り。

できあがった画像は・・・
SIvsAS.jpg
上がSI8、下がAS!3でBruteForeceAlgmentで実施した画像です。
輝度レベルが異なるので、一応、レベル調整で見た目はなるべく合わせてみました(自動レベル調整で揃えば一番ラクなんですが・・)。S/Nの差は微妙で、50枚程度なら差はないと思える・・
実際のところ、8bitPNGに落としたこの画像をMaxImDLで読み込んで、Std値(標準偏差)を測定してみると、どちらも、13台で、誤差の範囲であることが判りました。
std.jpg
厳密にいれば、ステライメージの方が、値が良いのですが、ただ、レベル調整して8bitに落とした上に、Min値が0のPixelがある状況でのStd値の評価は意味がないのですが、、、
それでも、50枚での値の差は、1000枚になれば当然、誤差では済まなくなってきます。

そもそも、単純加算で比較したかったのですが、ステライメージ8のカウント値
SI8Level.jpg
に対して、AS!のカウント値
AS3Level.jpg
100枚中50枚選別での比較なのに、大幅にカウント値が違ってますよね・・。
これって、やはりAS!では単純な処理ではなく、かなり画素が棄てられていることを示しています。
単純加算のステライメージに対して、カウント値が約1/3です。(最大値、最小値それぞれ比較してもだいたい1/3になってます)。つまり、1/3の情報が棄てられてる可能性があるということです。

これって面白くて、それこそ2018年に自分が最初に試した時、約1000枚合成したのですが、あれ?これって300枚くらいのS/Nじゃ・・?と思ったのですが、案外、その感覚は正しかったのかもしれない。
一応、BruteForeceAlgmentを無しにして処理もしてみましたが、AS!のスタックの差に有意差は見られませんでした。
それを踏まえた上で、星ナビ記事掲載時の比較画像を見てみると・・
hoshinabi.jpg
ビミョーなところですが、若干、ステライメージの方が良いですかねぇ・・・
カウント値が異なるのもあり、レベル調整の問題もあるので、正直なところ、これを有意差とみるか、誤差とするかは微妙なところ。
この程度のS/Nの差であれば、簡便さを考えたら、AS!を使いたくなりますね。
(ちなみに、700コマもあると、カウント値だけでみるとSIとASでは2桁か3桁か・・かなり差が出てたりします・・)

ただ、無視できなかったのは、ラッキーイメージングの肝心要のシャープネスの差です。
すでに上述の写真でも、星ナビ記事用の画像でも、見た目でも、判断できますが・・・
再び、100枚中50枚の画像に戻って。
これの比較方法は簡単かつ間違いない方法があります。
それぞれ、スタックした画像の同じ星を指定点でくくって、
Star.jpg
コンポジット画面で、FWHMを測れば良いだけです。
ファイル名が解りにくいですが、上のコンポジット用データ・・・がAS!3、下がSI8でコンポジットした画像で、AS!がFWHM=5.34、ステライメージがFWHM=4.98。
この差は僅かなようでいて、実はDeconvolutionなど、画像復元処理を用いても、0.3の差は埋めるのは大変で、かなり星像のシャープネスに差があるということです。
実際問題として、上の星ナビ記事用に合成した約700コマの比較画像では、銀河のディテール構造に大きな差が出ています。
この点は、CMOS掲示板のYAMASHITAさんが過去の記事のコメントで教えてくれたように、オーバーサンプリングで撮影した場合には問題にならない可能性はあります。

ただ、自分の様に、オライオン30cmや40cmGotoDobなど明るい光学系を用いて撮像した場合には、AS!では、最高の画質が期待できないであろうということは断言できそうです。
お手軽路線では、便利でいいんですけどねえ・・・

下は、実際に、AS!3を使ってコンポジットしたインパクトロンCCDによるM42です。
インパクトロンCCDによるM42
まあ、どこまでやるかは状況次第かなぁ・・。
究極の1枚を目指すなら、手間がかかっても、ステライメージで処理しますが、実際、なかなかその手応えが得られないと、シンドイ、というのもあります・・
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コメント

No title

こんばんは

AS!とSIの定量的な比較テストを実施していただき、ありがとうございます。大変勉強になります。
AS!のBruteForceAlignmentは効果がないようですね。BruteForceが「力ずく」、「強引な」等の意味を持つようなので、精度がある程度犠牲になっているのかもしれません。また、私はSIとの比較は行ったことはないのですが、DSSと比較したときに明らかにAS!の方が星像が膨張し丸みを帯びていたので、AS!のアライメント精度には以前より疑問を持っていました。今回のテスト結果から、その可能性が高まったと考えてよさそうですね。
UTOさんがおっしゃるように、最高の画質を求めるのであればSIでスタックするのが一番だと思いますが、私の場合、オーバーサンプリング撮影した画像数1000枚をスタック処理することが多いので、どうしても楽な方法を選択してしまいます。
ただ、今回の結果から、スタック数が多いほど
精度の差が出てくると考えられますので、時間があるときに細かい構造を持った銀河でAS!とSIの比較を行ってみたいと思っています。

Re: No title

> koropoさん、こんにちは。

このM64については、中心核が明るいので、BruteForeceAlgmentは効果が無かったのかもしれません。
スタック精度は自分がいくつか試した感じでは、ステライメージより悪い印象なのは確かで、どうにも自分のシステムとは相性が悪そう・・です。

>DSSと比較したときに明らかにAS!の方が星像が膨張し丸みを帯びていたので

星が膨張し、だと違うかもしれませんが、丸くなるのは、逆にきちんと伸びた星を捨ててくれてるからかも?

S田さんによると、月面では空気の塊で位置がズレた部分についてもきちんと対応(取捨選択?)してくれるそうなので(なので、ステライメージの単純加算と比べてデータ量が減っている)、輪郭がはっきりしていたり星が多い場合には、合成精度やシンチレーションの影響緩和効果が大きくなるかもしれません。

いずれにしても、AS!は複雑なことをやっているのは間違いなくて、使いこなすためには、どう使ってあげるのがいいのか、まだまだ、検討する余地が高そうな気がしています。




No title

面白い検証ありがとうございます。

よくわかっていない者が言うのもなんですが・・・
ステライメージ等では位置合わせで画像を補完して合成しているのできっちり位置が合いビット数も増えるがAS!では二アレストネイバー的に合成しているのでビット数もそんなに増えない、、、ってことはないんでしょうか?
つまりステライメージの方が複雑なことをやっているっていう・・・・・

ステライメージで二アレストネイバーで合成してみて検証すれば良いんでしょうが、手元にはオーバーサンプリングの画像しかないもんで。。

Re: No title

> YAMASHITAさん、こんばんわ

ステライメージでも、上の川崎天文同好会の発表資料に画像があるように、自分はニアレストネイバーで使っています。1点指定では、XYのシフトしか補正できないので、補間を選択する意味がないからです。
あと、これは試してないのですが、多分、ステライメージのコンポジット時にBicubicを選んだとしても、1点指定での合成の場合には、恐らくどれを選んでも、星像に影響がないと思います。位置合わせに回転が入ると初めて影響が出てくるので。

あと、1枚画像のレベル調整を行うと、ばらつきが大きいものの、だいたい1000カウント。つまり、50枚で、ローレベルが5万の値になっているステライメージは極めて正しく実行されています。

その点を踏まえても、AS!ではカウント値が1/3になっているのは事実で、取捨選択の結果、データが排除されているのは間違いないところです。
ただ、問題なのはそのデータの捨て方で、当然粗悪なデータを切り捨てているとは思います。ただ、淡い部分に関しては、何が良くて何がだめかの判断基準が極めて難しい為、自分が感覚で感じたように、S/Nが悪くなってるのも間違いないんじゃないかな。
ただ、一番最初に感じた1/3程度のS/Nしかないわけではなく、星ナビ記事で700コマの合成結果で比較すると、若干悪いかな、程度だと思います。

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プロフィール

UTO

Author:UTO
子供の頃、図鑑で見たパロマー天文台の天体写真に憧れて、天体写真を初めて幾星霜・・
デジタルカメラの進歩によって、当時のパロマ天文台の写真を超える天体写真がアマチュアでも撮れる時代になりました。

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