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カブリ補正

デジタルカメラをお使いのベテランのみなさんはほぼ完璧なフラット画像を撮影されている方が多く、とても感心させられます。
たしかに美しい天体写真を得るには、バックグラウンドの傾斜があると、それだけで、星雲強調ができず、困った事態に陥ります。
 
本来であれば、やはりフラット画像の精度向上を図り対処していくべきだと思いますが、ボクの場合、なかなか上手くいかず、大きな課題となっています。(フラット光源を再現性の無い、薄明光に頼ってるからだと思います・・)
しかし、とりわけ、光害地で撮像した場合、市街地の光害による背景傾斜も存在し、さらに反射系では、鏡筒内の内面反射によってもカブリが生じるため、複雑になり、フラット補正だけではどうしてもうまくいきません。
その様な場合、どうするかというと、ソフトウエアにて、補正します。
ステライメージでの処理が一般的かもしれませんが、機能的にはやや古い印象は拭えません。
MaxImDLによる、FlattenBackGroundによる補正では8次関数でフィッティングをとってくれるため、より高精度に補正が可能なことは以前、このブログで書いた通りです。
(ちなみに、こちら

しかし、FlattenBackGroundは高精度補正が期待できる反面、星が無いところを選択してぽちぽち打っていかねばならないので、結構、手間がかかります。
また、画面全体に被写体が広がって収まりきれていない場合にはFlattenBackGroundは使えません。
 
その場合、Auto Flatten BackGroundを使うことでうまく補正できることもあります。

AutoRemoveGradientも優秀ですが、それぞれ効果が違っていて、うまくいく場合といかない場合とがあります。それぞれ試してみてより好適な方を使うと良いでしょう。


MaxImDL意外にも優秀なソフトはあります。
フリーの天体画像処理ソフト、Irisです。
以下からダウンロードできます。
http://www.astrosurf.com/buil/us/iris/iris.htm
インターフェースがやや古いですが、非常に多機能なソフトウエアです。

今回はその中で背景補正の処理を説明します。
まずは画像を読み込み、Processing-Remove gradient (polynomial fit) を選びます。


そうすると、次の様なダイアログが出てきます。


Background detection,Fit precision がそれぞれ、High,Medium,Lowと選べますが、基本的にはデフォルトのMediumで良いでしょう。
そうすると、+マークが多数現れます。これが背景補正に使用したポイントです。


実を言えば、多分、もう処理済みではあると思いますが、
この後で、Thresholdダイアログの、Autoを押してみてください。

補正後の画像に更新されます。
うまく処理がいっていれば、これでokですので、保存しましょう。
 

左:処理前 右:IrisにてRemoveGradient
 
行っていることはPixInsightのDBEと同様の処理になり、減算によるバックグラウンド補正になります。
先に書いた様にインターフェースがやや古いソフトウエアですので、バッチ処理等はありませんが、フリーソフトでここまでやってくれのはとても助かります。
余白が多くあることが必要にはなりますが、光害地による撮影では非常に強力なツールになると思います。
実わ、最近かなり愛用しています。
Irisについて教えてくれたグレーテルさんには感謝!です。
 
フラット精度の向上という点では、yamatomoさんがおこなっている、やはりフリーソフトのYIMGによるご近所フラットも興味深いところです。
分子雲の様な画面全体に広がる淡い天体を捉えるには、今回紹介した様なソフトウエア補正では歯がたたないことが多く、フラットフレームそのものの精度向上が求められます。昨今の天文雑誌のフォトコンテストにはこの種の天体写真が多く掲載されていますが、技術的には非常に高いレベルが必要ですので、ある意味当然かもしれませんね。
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コメント

No title

おお~こんなフリーソフトがあったんですね。早速DRしてみます。
確かにMaxlmDLの補正は上手くいく時といかない時がありどちらかというとHa撮影の様にモノクロで輝度差が大きいと比較的上手くいくようでカラー画像の星雲などの場合補正量が小さく上手く決まらない感じがします。このソフト結構使えそうですね。試してみます。

No title

私の場合フラットが決まらないことが多いのでSI6の傾斜補正はいつも愛用しているのですが、これまたすごいフリーソフトがあるんですね。補正に利用したポイントの数にびっくりです。これは是非試してみなくては~(^o^)

No title

UTOさん

天体写真って、技術面の駆使で勝負?もあるんですね。。。
どんな処理をしたか、もポイントなのですか?
すごい地道な作業が撮影後待っているんですね(=´∇`=)
使いこなせたら、楽しそうですね♪

UTOさんのさじ加減はすごく繊細な感じがします☆・・・☆!

No title

ほおーこれはつかえそうですねえ。MaxImのフラット補正は
あまり役に立ってませんでしたので、期待できそう。

今年はお世話になりました。また来年CANP&真澄会であいましょう。

No title

へぇ~、フリーでこういうアプリがあるんですね。
教えていただきありがとうございます。
また来年も宜しくお願い致します。
良いお年を~!

No title

鏡筒・赤道儀選択には色々お世話になりました。
赤道儀は購入早々ドッグ入りに成りましたが、
帰って来たら色々やってみます。
来年もお世話になります。<(_ _)>
ぽち

No title

早速このソフト試してみました。まずFITのデータが上手くロードできませんでした。また、TIFFの画像は読みこめたので、ためしたみたがなかなか良さそうな感じですが、使い込むにはもう少し勉強が必要そうです。でもフラットには困ってますので、頑張ってみます。
今年は本当にいろいろお世話になりました。来年もよろしくお願いいたします。よいお年を~♪

No title

Keilibraさん、こんにちは。
そうですね、輝度差があるときに上手くいく気がします。
Irisもぜひ試してみてください。銀河では結構うまくいきますよ。

No title

ひろしさん、こんにちは。
Irisかなり多機能ですので、ぜひ使ってみてください。
で、他にもよさそうな機能があったら、教えてください (^^;

No title

ろざりおさん、こんにちは。
そうですね、一般の写真に比べるととても少ない情報をどう活かすかが問題になるので、こういう技術も大事になるんですよー。
おっしゃるとおり、すご~く地道な作業ですねー。

No title

まっくんさん、こんにちは。
都会での銀河撮影には威力を発揮してくれると思います。
淡く広がっている散光星雲には多分、効果が期待できないかも・・。

こちらこそ、お世話になりました。また真澄会、楽しみにしています。

No title

adonoanさん、こんにちは。
ぜひ、使ってみてください。Irisは98'頃からあるフリーソフトですが、かなり機能充実してきてます。インターフェースは昔のままですけど・・
こちらこそ、来年もよろしくお願いします。

No title

ぽるこ・びあんこさん、こんにちは。
赤道儀、早く戻ってくるといいですね。
こちらこそ、来年もよろしくお願いします。

No title

Eagleさん、こんにちは。あれ?そうなんですか。うちだと、ステライメージから保存したFits32bit実数画像は問題なく読み込めてますが・・・
機能は実に多機能で、ホームページにもいろいろと解説がありますので、何か面白い機能があったら、教えてください (^^;
こちらこそ、来年もよろしくお願いします。

No title

これはまたまた年末に貴重なソフトのご紹介ありがとうございます。
今はちょっと時間がないのであとでじっくりDLして勉強させて頂きます。
今年は貴重なアドバイスをたくさん頂き本当に有難うございました。
是非来年もどうぞ宜しくお願いします。

No title

これはまた便利なソフトですね。しかもフリーですし。
フラット処理は本当に大切ですよね。変なフラット画像だと「アレ?こんなところに赤い成分あったっけ?」なんてことにもなりますし、実際なったことありますし(笑)。
貴重な情報ありがとうございました。また来年もよろしくお願いします。

No title

シュミットさん、こんばんわ。
IrisもE-300と同じ様に?使い勝手は悪いかもですが、結構いい感じだとは思いますので、ぜひ使ってみてください。
こちらこそ、来年もよろしくお願いします。

No title

くっしーさん、こんばんわ。
天体画像処理ソフトもフリーで強力なものもありますね。
Irisもそうですが、ひろしさんがよく使われているDeepSkyStackerやYIMGなどはそれひとつだけで仕上げるのは無理がありますが、強力な機能を備えているので、この処理は、このソフトで、と、ワンポイントリリーフ的な使い方もできそうです。

フラットはホント、大変ですよね。毎回悩まされつつも系外銀河ならなんとか・・・って感じでやってますが・・・そろそろ本格的にテコ入れしないとダメそうです・・・。

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プロフィール

UTO

Author:UTO
子供の頃、図鑑で見たパロマー天文台の天体写真に憧れて、天体写真を初めて幾星霜・・
デジタルカメラの進歩によって、当時のパロマ天文台の写真を超える天体写真がアマチュアでも撮れる時代になりました。

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