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はくちょう座の超マイナー対象ズ

はくちょう座といえば、網状星雲や北アメリカ星雲、γ星付近に広がる散光星雲、などなど、天体写真マニアにとっては、素晴らしい被写体が多数ある星座です。
今回は、その中でも超マイナーな星雲星団を紹介しましょう。

はくちょう座のマイナーな星雲と聞いて、何を思い浮かべますか?
まずはこの辺りでしょうか・・・・?

NGC6888 三日月星雲(Crescent Nebula)  MT160反射望遠鏡 レデューサ使用 ST7ME冷却CCDカメラ

Crescent Nebula、はくちょう座γ星の近くにある星雲です。
比較的小さい天体ですから、流行りの短焦点屈折望遠鏡+デジタル一眼レフカメラでは、はくちょう座γ星付近の散光星雲の付け合せとして一緒に撮ることが多いですね。他にもこの領域にはNGC6914反射星雲などもありますが、いやー・・この辺りは冷却CCDではちょうどいい大きさということもあって、まだまだメジャーな方でしょう!? (^^ゞ

じゃあ、ちょっと視点変えてこんなのどうでしょ?

NGC6826 まばたき星雲  ASC-11アプラナートシュミットカセグレン望遠鏡 DMK/DFK21AF04 CCDカメラ

はくちょう座の翼のところにある惑星状星雲、まばたき星雲です。確かに写真で狙う人はそうそういませんが、
明るい星雲で、眼視では好対象!だいたい愛称がありますしね。マイナーとは言えませんね(・・・マジか!? 笑)

ここからが本チャン。超マイナー(マニアック?)な天体を紹介していきます!!
まずはこれ!

φCyg星付近に広がるレムナント  キヤノン NewFD 300mm F2.8望遠レンズ ST8XME冷却CCDカメラ

とても淡い被写体で処理技術が未熟なこともあって、綺麗には写し出せていませんが・・・
はくちょう座φ星付近に非常に淡い網状星雲の様な超新星レムナントと思われる天体が広がっています。
上記画像は、超高感度のST8XMEに、Hα、OⅢ、R,G,Bの5色分解で撮影した例ですが、光害が強い磐田市内の自宅からのR画像でもうっすらと写っていますので、デジタル一眼レフカメラでも十分に写しだすことが可能と思われます。ぜひ、みなさんも今夏狙ってみてください。
OⅢ線による青いフィラメントもあり、なかなか面白みがある領域ですよ。
ちょっと北に振ると、これの対になるフィラメントもありますので、デジタルカメラのAPSサイズのフォーマットなら、300~400mmクラスの焦点距離で両者を仕留めることができるのではないかと思われます。
難物ではありますが、分子雲クラスを狙われている方からすれば、ひょっとしたら楽勝・・?


Egg Nebula  ASC-11望遠鏡 ST8XME冷却CCDカメラ

HSTが写した卵星雲です。この天体も、愛称はあるのですが、アマチュアでの作例はまず見たことがないような・・。惑星状星雲になりかけの天体だそうです。黄色い星雲と青い星雲、そこからサーチライトの様にのびる様子が興味深く、写してみたかった対象の一つです。
比較的、明るい天体ですので、長焦点を使える方は狙ってみる価値は大きいかと思いますよ。視直径は0.5'程度でしょうか・・・。
HSTでは偏光フィルターを使って擬似カラー化したカラフルなデータも取得されています。
とても綺麗ですが、さすがにこれはアマチュアでは撮れないとはいいませんが、相当キツイ・・・多分・・。
普通にPLフィルターを回転させて撮ればいいのですが・・・いかんせん、被写体が小さすぎですから・・・。


ブラックホール はくちょう座X-1 イプシロン200望遠鏡 SXV-H9冷却CCDカメラ

こちらも、名前だけなら超メジャーなんですけどね・・・アマチュアで撮影した例はほとんどみかけません。
Cygnus X-1・・・初めて見つかったブラックホールです。
もちろん、ブラックホールは、光すら吸い込んでしまうため、可視光で見ることはできません。
しかし、ブラックホールの降着円盤に物質が落ち込む際に生まれるX線をはじめとする高エネルギは、
周囲のガスを励起し、星間ガスを励起し、発光させます。
 

 
添付写真の通り、非常に淡く、構造も不明瞭ながらも、
ブラックホール候補の連星、HDE226868を中心とし、上下に伸びるジェット構造、
および、それに伴い発生した泡構造を捉えることなんとか成功しました。
下側もバブル構造があるかもしれませんが、もともとHⅡ領域があるところでもあり、
また、画角から外になってしまったようではっきりとは判りませんが・・形状からはなんとなくバブル構造っぽい。
 APODでの作例を見て、これは撮ってみなくてはッ!!
ということで、2009年に撮影したのでした。
実際には、この構造が本当にブラックホール起因なのか、それとも周囲の散光星雲なのかは判然としていないのでしょうけどね・・・。なにはともあれ撮れてよかったです。
この時よりも、多少は処理技術を身につけたので、再処理して今年の遠天写真展にも出したのですが・・・
思ったよりも、処理技術はあがってないなぁ・・orz って感じでした。

さすがに、ブラックホールの痕跡はデジカメではキツイかもしれません、、、
ただ、ブラックホール候補生の連星は簡単に写りますし、周囲に広がる散光星雲もありますので、この近辺を狙ってみたら、ぜひ、バブル構造が写ってないかどうか確認してみてくださいませ。

あとは、これ。
少し前の梅雨の中休みに、はくちょう座のマイナーな銀河を撮影してきた・・・と書いたのですが、覚えている人いるかなぁ~

電波銀河 はくちょう座A  イプシロン200望遠鏡 St8XME冷却CCDカメラ

電波銀河はくちょう座Aです。いやね、DSS画像を拝見していて、正面から見たSBc型の棒渦巻銀河だとばっかり思ってました・・・。DSS画像はモノクロですから、天の川の向こうにある正面向き棒渦巻銀河にみえたんです・・
いざ、写してみたら、どうも、というか、確実に、棒渦巻銀河の腕みたいなのは散光星雲ですねー・・orz
それもそのハズ、調べてみたら、なんと、はくちょう座Aの距離は5億光年の彼方だそうで、、、
そりゃ、ちっさくしか写らない訳ですね・・・
真ん中上、紅い星雲の腕の中で星に挟まれている小さな黄色く滲んでいる星みたいなのがはくちょう座Aです。
HSTではさすがに可視光(恐らく)でも素晴らしい様子が写っていますね。

まあ、勘違いしてたとはいえ、前々から撮りたかった天体だったのは間違いないですし、今回処理してみて、思ったよりは、上手くマスクを使ってなるべく星像を抑えつつ淡い部分を出せる処理ができたので、スキルアップという面では満足です。

以上、はくちょう座の超ドマイナーな天体を狙ってみました編でした・・・ (^^ゞ




















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コメント

No title

Jetはともかくとして、バブル構造は描写できてますねー。
こういうの、僕も撮りたいですね。

東海もかなりの雨だったみたいですが、大丈夫でしたか?

No title

UTOさん

緑色の星雲が、わかめ星雲の正体でしょうか???
ブラックホールだったのですね???
HSTの卵星雲は、目がヒカル卵星人にしか見えない♪

もう???しかないです。。。
これだけのマイナー巡りだとさすがに
今夜は宇宙酔いしてしまいました。。。ぽち

No title

これは素晴らしいです!
なんだか、科学雑誌を読んでいるかのような印象で記事を拝見させていただきました。Crescent Nebulaが見た目も名前もカッコよく、とても気に入りました。

ブラックホールの写真を撮影できるのはびっくりです。もはやプロの仕事です。もちろん傑作です!

No title

ふにゃ太郎さん、こんにちは。
TOA150+ST8300Mでぜひ狙ってみてください!

台風がそれてくれたので、こちらはあまり大したことありませんでした。

No title

ろざりおさん、こんにちは。

はい、ブラックホールでした~ (^^)v

No title

sakumaさん、こんにちは。
お褒めの言葉ありがとうございます!

Crescent Nebula、カッコイイですよー。青い酸素輝線の成分もありますし、案外明るいですから、sakumaさんのK-5ならバッチリ写せることと思います。
可能なら、800mmくらいで撮影できると迫力も出てきますが・・・γCyg付近と共に写すのも結構いいですよ。

No title

GO!GO!マニアック!(by K-on)
まばたきは見たこと有る様な無いような…
台風も通り過ぎて大気も落ち着きますかね~
北アペリカンが撮りたい…今のオイラでは無理かな~orz
それに今夜夜勤なんです…(T_T)P

No title

マイナーってレベルじゃないですよ、三日月や卵くらいは知っていましたが他は知らなかったですね~。

淡い奴は北海道からなら写るかも知れませんね。とはいえまずはメジャー天体を押さえる方が優先なわけですが…

No title

ぽるこ・びあんこさん、こんにちは~
台風一過とはなかなかなってくれないみたいですね~
北アメリカ星雲ですか、ちょっと未改造のEOS40D+FL80Sでは苦しい対象かもしれませんが、ぜひチャレンジしてみてください!

夜勤頑張ってください~。

No title

hanaさん、こんにちは。
いやー、超ドマイナー路線でいってみました (^^ゞ

淡い奴(型名あるのかなあ?)は、そちらの空でしたらいけると思います。機会があったら、φCyg付近を心持ち左下に寄せて狙ってみてください~。
GENTAさんの最優秀のSh2-224,223よりは楽なレベルだと思います・・?

そうですねー、まずメジャー天体ですが、そういえば網状星雲未だにちゃんと撮ってないんですよ、、(^^ゞ
ペリカンや北アメリカも綺麗に撮り直したいと思いつつ、なかなか・・(^_^;)
や、でも、メジャー天体ってみんな撮ってるので逆に難しいというか・・・表現力と実力を問われますよね・・。

No title

うーん、こういう画像を拝見するといかにも天文を趣味にしていますという感じでとても尊敬してしまいます。私なんかああ、きれいだなぁと写真を撮っているだけなのでとても天文好きとは言えませんね。
白鳥座X1など自分でも写せるのですね!天文少年だった時の遠い昔を思い出してしまいます。
φCyg星付近に広がるレムナントを自分でも撮影してみたくなり検索をかけたのですがUTOさん以外の作例が出てきません。よっぽどマイナーなんですね。番号は付いているのでしょうか?φ星をど真ん中に置いても写りますか?

No title

T-Fixさん、こんばんわ。
いやー、綺麗な写真を撮るのももちろん好きなのですが、自分でどこまで写せるのか?というのも面白いかなーと思いまして。
チャレンジ系の撮影もやっています。これが淡かったり小さかったりで、技術を養わないとなかなか撮らせてくれない奴らばっかりでして・・フォトコンで技術を磨きつつ徐々にレベルアップしていってなんとか?撮影できるようになってきました。
ΦCyg付近の星雲ですが、ボクはWikiSkyでめっけてきて、コイツは撮ってみたいッ・・!と思った天体です。
http://www.wikisky.org/
ではくちょう座の首筋あたりを見て見てください。フィラメントがΦCygの下にうっすら伸びてますが、右上に対になるヤツもいます。
DSS画象と同様、WikiSkyに写っている天体ならアマでもなんとか手に追える範囲内と思います。とはいえ、Abell85(CTB1)をWikiSkyで見るとWikiSkyだと案外くっきり写ってるんですよねー・・アマチュアでは相当露出かけないとキツイとは思います。
でも、チャレンジのしがいがあるとは思いますよ。
頑張って!

No title

UTOさん、こんばんは。

いやー素晴らしい写真ばかりで言葉がありません。
マイナーな星雲と仰っていますがマイナーどころかとてもゴージャスな星雲に見えますね。
まばたき星雲、気に入りました。きっとここにはまばたき星人が・・いないでしょうね(笑)。

No title

難物のオンパレードといった感じです。さも簡単に画像をアップされていますが、どれも難しそうですね~。
メジャーを撮り尽くしていない私にとっては当分対象にならないかもしれません。でもとても参考になりました。
電波銀河は何時かトライしたいな~。

No title

apogon2さん、こんにちは~
まばたき星雲は、望遠鏡で、じっと見つめてしまうと星雲が見えなくなって、ちょっと逸らし目にしたり、望遠鏡を指でトントンと叩いて振動させるとみえたり・・ということからまばたき星雲と呼ばれているのですが、でも、なんとなあく、目みたいな模様がありますよねえ(笑)

No title

モカのパパさん、こんにちは。
いやー・・Cygnus X-1は特にですが、結構露出をかけてます。
φCygは2晩か3晩撮影していると思うので、多分、総露出5時間コースかな?と思います。

電波銀河は、しこたま撮ったL画像が無駄になっているので、R画像が5分×8コマ程度(撮影中気がついたのでR画像を最後に追加しました)で実はあんまり露出はかけてないですが、周囲のガスが淡い上に星が多くって・・処理が大変でした。(いい勉強にはなりましたが・・)
ぜひ、狙ってみてください~

はくちょう座のメジャーな散光星雲、ボクもいろいろと撮らなくっちゃ! (^^ゞ
遠征して網状星雲を綺麗に撮って来たいですねぇ~

No title

ブラックホールの影響なんて写せるんですね。驚きです。こんなの見せられると、何だか急に身近になった気がします。

写真写りのいいやつを狙いたくなる間はまだ素人ですかね(笑)

No title

こんにちわ☆

マイナーなのかどうかも私には分からなくて・・・
いつも「わぁ~゚・:*:・。」って見ているだけです(o^-^o)

まばたき星雲・・・その名の通りキレイですね☆
今度探してみようかな☆

No title

かわうさん、こんにちは。
いやー、ボクも驚きましたが、2年前、APODを見て、これは撮らないと!と思いました。ま、、処理技術がまだまだ低かったので星ナビさんに応募するも撃沈でしたけどね・・・~(=^‥^A アセアセ・・・

写真写りがいいやつ、判ります。CANPでをの字さんも、分子雲なんか狙うよりも、まず見栄えがするのから写そうよ!と仰ってました。
でも、難物に取り組むとスキルアップに直結しますよー。
いろいろと難しいデス・・・。

No title

ななこさん、こんばんわ~。
いやー、全然それでOkです。写真を見て綺麗かどうか、それだけコメント頂けるだけでシアワセです!
マニアの視点とは違うご意見ってとっても貴重なんですよ~
ほんと、ななこさんやろざりおさんのコメントはとてもありがたいです~
特に遠天写真展では、いっぱんの方や子供たちに見せますから、ホント、参考になるんですよー。
マニアックなサイトですが、今後とも、よろしくお願いしますm(_ _)m

まばたき星雲・・・は、たぶん、公共天文台の観望会でリクエストしても、ちょっと担当の方も、困っちゃうかもです。
や、なにしろ、マニアックなので、、、~(=^‥^A アセアセ・・・

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プロフィール

UTO

Author:UTO
子供の頃、図鑑で見たパロマー天文台の天体写真に憧れて、天体写真を初めて幾星霜・・
デジタルカメラの進歩によって、当時のパロマ天文台の写真を超える天体写真がアマチュアでも撮れる時代になりました。

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